ただの…

〈サユ視点〉








講義が終わり皆んなで学食に向かって歩いていると

シュウ先輩から電話がかかってきて

スマホの画面を隠しながら「先に行ってて」と伝えてから

人通りの少ない方へと歩いていき電話にでた





サユ「もしもし…」





シュウ先輩とはあの後一度電話があり

カオル先輩の事を謝られた以来連絡をとっていなかった…




あの日笑実ちゃんから聞いた話じゃ

カオル先輩達は女の子とコンビニにいて

きっとシュウ先輩も誰かといたんだ…





カオル「そんなにしたいなら13日も来ればいいよ

  ヒョウやツカサやアキラもいるし

   皆んな笑実ちゃんの相手してくれるよ」





カオル先輩のあの言葉は

笑実ちゃんに向かって言われていたけど

自分にも言われた気がした…




どんなに私や笑実ちゃんが先輩達を好きでも

先輩達にとってはその他大勢の一人で…





( ・・・・・・ )





シュウ「沙優ちゃん?講義終わったばっかにごめんね…」





サユ「いえ…」





シュウ「あのさ…あれから笑実ちゃん…どう?」





シュウ先輩の言葉を聞いてヤッパリと思い目を閉じた…

あの日のカオル先輩は「合コンみたいな事をして」と

笑実ちゃんに怒っていたけど…

シュウ先輩は気にも止めている様子はなかったから…




カオル先輩は笑実ちゃんに対して自分の「もの」という

間違った独占欲みたいな物があるけど

シュウ先輩には…全く無く…

この電話もカオル先輩に言われてかけてきたんだろうと思った…






シュウ「カオルの事…なんか言ってたりとかする?」





サユ「・・・・・・」






正直もう笑実ちゃんには近づかないでほしい…

あの時は本当に怖かったし

前に心配したように手でもあげるんじゃないかと不安だった…





( それに… )





「カオル先輩にとって……ただのペットなんだよ…

  喜んでた…自分がッ…ッ……バカみたぃ……」





笑実ちゃん自身が

もう関わりたくないって言ってる…






サユ「・・・・会いたくないそうです…」





シュウ「・・・沙優ちゃん、実は」





シュウ先輩の説得なんて聞きたくなく

「もう関わらないであげてください…」と言って

初めて自分から電話を切った…





サユ「・・・・もうかけてこないで…」





そう小さく呟きながら

シュウ先輩のアカウントをブロックした




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