〈シュウ視点〉










ヒョウは前から…たまに…

空気を読まずにひょうひょうと話す事があるが…

今回はヤバイ…






ヒョウ「てか皆んなが皆んな同じ種類の子じゃ面白くないよ…

  右見ても左見ても一緒だと誰だっけってなるし

  もっとビュッフェみたいに色々いてほしいね?笑」






本人はベランダに側に顔を向けていて

窓ガラスの前に立ち「ふぅー」と息を吐きながら

「星見えないねー」なんて呑気な事を言っているが

部屋の中はBGM代わりにつけている洋画の音しか

聞こえておらず皆んながヒョウに視線を向けている…





サトル「・・・・あっ…」





部屋の中の女の子達の表情もマズイが

サトルはソファーに座ってコッチを見ているカオルの

視線に気づいた様で「あぁ…」と口を開けたまま

目を泳がせてさりげなく体をずらしていき

カオルに背中を向けている…





ヒョウは俺達の表情に何かを感じたのか

「ん?」と言って顔を部屋の中へと向けて

「どーしたの?」と自分がしでかした事の意味を分かっていない…





カオルは「ヒョウ…」と言いながらゆっくりと立ち上がると

ハイボールのグラスを持ったままコッチに歩いてきて

「今の話…何?笑」と笑って問いかけるカオルの

冷たい空気にツカサもサトルも強張った顔をしている…






ヒョウ「あぁービュッフェ?いい案じゃない?笑」





カオル「ビュッフェ楽しそうだね…

  でも俺が聞きたいのはその前の話だよ」





ヒョウ「前??・・・チワワ達の事?」






俺は2週間前の出来事をコウやヒョウにも話していて

カオルの前で笑実ちゃん達の話はするなと伝えていたが

2週間も経ち忘れてしまったのか

もう時効だと思い話しているのかは分からないが

ヒョウは立ち聞きしていた内容をそのまま

カオルにペラペラと話してしまった…





カオルの顔はそこまで歪む事はなかったが

途中前髪をかきあげながら覗くその目は冷たく

「へぇ…」と呟きハイボールを飲み干すと

さっきまで座っていたソファーへと戻っていき

女の子達と話だした…





サトル「あれ…意外と機嫌悪くねーな…」





ヒョウ「いや、かなり機嫌悪いよ…」





ヒョウの言う通りカオルの機嫌は悪い…

ただこの場の雰囲気を壊さない為に

席に戻って行ったのが分かり

サトル達とも明日辺りには何かあるだろうと想像がついた…




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