〈エミ視点〉








「・・・・・・」





部屋のインターフォンが鳴り

ヒョウ先輩達のような気がして

沙優ちゃんを見ると沙優ちゃんもそう思ったようで

固まったまま機械を眺めていた…




ヒカル先輩から話を聞いて皆んなで

ぞろぞろ来たのかなと思うと開けるのが嫌だなと思った…





( 女の先輩達も一緒なんじゃ… )





知らない人達を部屋にあげるのは嫌だし

ましてやすっぽかされたなんてバカにされそうで

出来れば会いたくない…





数回鳴ると静かになり帰ったのかなと

二人で小さくタメ息を吐いていると

部屋のドアがドンドンドンと叩かれだしビクッとして

沙優ちゃんに引っ付いた





サユ「・・・・えっ…」





先輩達じゃないのかなと怖くなり

動かないままでいると「沙優ちゃん」と

シュウ先輩の声が聞こえてきて

顔を見合わせていると「カオルと二人だけだから」と聞こえ

二人でドアの方へと歩いて行きドアを開けた





沙優ちゃんの後ろから覗くとカオル先輩の

姿が見えて思わず沙優ちゃんの背中に隠れた…






シュウ「居留守使おうとしたな?笑」





サユ「・・・・誰か…分からなかったから…」





シュウ「嘘つけ!笑 二人とも出て来いよ」





サユ「えっ?」






まさか今からファミレスに連れて行かれるんじゃと思い

沙優ちゃんの浴衣を少しだけギュッと掴むと

「笑実ちゃん」とカオル先輩の声と一緒に

ガサッという音が聞こえもう一度顔を出すと






カオル「一緒に花火大会しようか?」






と言って大きめのコンビニ袋から沢山の花火が見えていて

何も言わずにいると「浴衣姿見たいから出ておいで」と

言われ握っていた沙優ちゃんの浴衣から手を離して

下駄をはいて通路にでてそっとカオル先輩に顔を向けると

優しい顔で微笑んでいる







カオル「その浴衣似合うね?笑」





「・・・ぁ…ありがとうございます…」





カオル「ふふ…笑 髪とメイクもいつもと違うね?」






カオル先輩からマジマジと見られ

凄く頑張りましたみたいな自分が恥ずかしくなり

顔を下げて意味も無く飾り帯を触っていると

手を掴まれ「行こうか?」とエレベーターの方へと

歩いて行きシュウ先輩とどこでするかを話しながらも

ギュッと手を繋いでいて段々と頬が緩んでいき




沙優ちゃんの手を見るとシュウ先輩と繋がれていて

お互い顔を見合わせて微笑んだ…





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