10

(とりあえず、一人部屋で良かった)


それだけは、感謝だ。


「最低限……パジャマと、コップと」


狭い部屋を見回し、何かに気付く。


ない。


風呂場が。


「───っ!?」


『レイ! 大変!』


『どうしたっ?』


『部屋に風呂がない!』


『…………は?』


しばらく返答が途絶えた。


ようやく返事がくる。


『ないな……風呂場は、共同らしい。男女別々で』


『はあっ!?』


『まぁ……がんばれ』


さあっと、血の気が引いた。


今のユーキは女子だ。


つまり、女子用の風呂場にいけと──。


(ウソだろ……っっ)






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