第207話・女の子のおんぶ上で性的快感に浸ってる男って
「ねえねえ、おんぶで気持ちよくなるってどういうこと? 詳しく教えてよ」
「気持ちよくなって、全身の力が抜けちゃって」
「それって、性的に感じてるってこと?」
「うん」
「ええっそれってどうなの? 」
「乗ってるボクとしてはハッピーカムカムだよん。おんぶしてるキヨカとしてはどうなの?」
「ちょっと、悔しいけど不思議な感覚」
「おんぶしてるキヨカにも、乗ってるクロさんが感じてることわかるの?」
「そりゃわかるわよ。背中に当たってるモノが熱くなってて・・」
「えーーー、そうなんだあ」
70キロの男をおんぶして歩かされるという奴隷労働みたいなことさせられてる女の子。その女の子の必死の労働の上で、男は楽ちんしているだけでなく、性的快感を得て悦楽の気持ちよさに浸っている。こんな不平等、おんぶしてる女の子としては、どう感じるのだろうか。そこに先の感想「悔しいけど」が当てはまるのだろうか。
悔しいけどの「けど」はなんなのか。おんぶで自分の背中の上にベッタリと密着してる男が性的に感じてるというのは、女の子のがわからすれば、男の人が自分の身体に感じてくれてるってこと。それは、女性としてはそこそこ嬉しいこと? とはいえ、私はなんで、こんな好きでもない男に性的サービスをしてんのよ、的な。
そんなこんなな話で盛り上がりつつも、そろそろ休憩を終えてバス停に向かおうということになり、キヨカが「チヒロでも誰でもいいから、クロさんをおんぶしてみてよ」と、自分のしてきた苦行を他の女子も体験してみなさい的な提案。ボクとしては、バス停まで女の子のおんぶで行けるのは大ラッキーなので、ニコニコ。
一方、女の子たちは、70キロの荷物なんか背負いたくないから逃げ腰になって、みんな発言をひかえ目になってしまった。するとキヨカが
「クロさんが選んだらいいわ。クロさん3人の中でだれに乗りたい?」
ボクは、ボクをこのハイキングに誘ってくれたチヒロに目を合わせた。チヒロは、゛自分がここから先70キロの荷物を背負って歩かされるのかとおもうと、泣きそうな顔になってしまった、そのおしとやかで無抵抗な女の子の顔と仕草が、あまりにもかわいい。こんなけな気な女の子のおんぶに乗って帰れるボクって、なんてハッピーボーイなんだろう。
ここまで、新人のキヨカにおんぶさせていた先輩たちとしては「私はおんぶイヤです」とは言いづらいだろう。つまり、ボクがこの先、女の子のおんぶに乗っていけるのは確実だ。そう思うだけで、もう嬉しくてしあわせで、性的にも妄想勃起してしまい、ドキドキワクワクのウヒャウヒャ。
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