第203話・二度目のおんぶしてくれた女の子のボーナス

「あとちょっとだったのにぃぃぃぃ、じゃないわよ、まったくもう」

「だって、すごく気持ちよくなってたところなんだから。それを中断させられて降ろされちゃった男の哀しみわかってよ」

「なにワガママ言ってんのよ。私のほうはこんな重労働させられて汗まみれよ」

「汗かかせちゃってごめんなさい」と言うと同時に、ボクは彼女の胸の谷間の汗のところに顔をうずめてキスをした。

「なにするのよ、いきなり」

「ボクのためにかいてくれたキミの汗。ぺろぺろ舐めたくなっちゃって、

だって愛おしいんだもん、ありがとう、こんなに汗かいてくれてまでボクを重いのにおんぶしてきてくれて・・」

「えっっ」

「ブラジャーの中すごく汗でびちゃびちゃになっちゃってること、おんぶで歩いてくれてた時点ですぐに気づいてて、女の子がボクの快楽のためにこんなに胸をグジョグジョにしてくれてまで・・。感謝感激でホントにありがとう」

「うん」

「じゃあ、乗るよ、お願い、ちょっとでいいんで、もう一回」

「えっまたおんぶを? うん、ちょっとだけなら・・」

 ホンネではイヤなのに頼まれてしまうと断りきれず、うんと言ってしまう優しさ、この優しさを捨て去れない女の子の本質、ここんとこを女の子大好き大好きなボクは、おんぶフェチとして、身体全体で体感している。おんぶの格別なところは、自分の身体と女の子の身体の密着面積が広く体感できる皮膚面積が大きいこと。そしてさらに、密着する力も強い・・ボクの全体重が重力として密着力になる。

 そして、二度目のおんぶは、女の子にとっては、初回のおんぶよりも、疲労が蓄積されていて大変なはずなのに、たいがいの女の子は、二度目のおんぶのほうが、ボクの乗り位置を高い位置にキープしてくれてる安定した、乗り心地のよいおんぶをしてくれる。「おんぶする」という運動に、身体が慣熟しているのだろう。

 おんぶしてもらってるボクの立場からすると、この「女の子の身体がおんぶ仕様になってゆく」変化にこそ、ワクワクドキドキ萌えてしまう。新しいおんぶガールを創り上げた感覚というか。

「初回よりも、今のこの二度目のおんぶのほうが安定してて乗り心地いいよ。おんぶしてるキミも二度目のほうが楽なんじゃない?」

「そうかも、不思議ぃぃ」

「身体が、おんぶする力の入れ方を覚えてきてんでは?」

「そうなのかなあ」

こんな会話は、おんぶ上のボクをうっとりと 幸せな気持ちにさせてくれる。

 女の子はボクをおんぶして歩いて、駅前広場まで到達してくれた。改札へはエスカレーターか階段かエレベーターで階上へ上がらなければならない。あいにく、一番近い入口は階段のみで、エスカレーターがあるのは広場の向こう側、エレベーターはさらに奥。女の子はどこに向かうか、呑気に乗ってるボクとしては楽しみ・・。

 70キロのボクをおんぶして歩かされ体力限界に近づいていた彼女は、なにも考えずに、もっとも近いとこ、つまり階段のみのところに向かった。

「なによ。こっち側はエスカレーターないんじゃない」と女の子落胆。

「エスカレーターは向こう側だね」と脳天気にボク。

「もうここでおんぶ終わり。降りてよ」

「エスカレーターのほうまで行ってよ、せっかくだから」

「なにが、せっかくだからなのよー」

そうは言いながらも、女の子はボクをおんぶしたまま、エスカレーター口へと歩き始めてくれる。ボクの手先は相変わらず、女の子の胸に触れていて、彼女のブラジャーがさらに汗でびしょ濡れになっているのを実感していたもんだから、ここんとこの最後の約20メートルをおんぶしてくれてる女の子の歩みからくる振動には、ものすごいボーナスサービスなお得感。女の子のおんぶってシアワセ~ありがと。




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