第118話・好きでもない男の快楽のためになおんぶ女子

 ボクは、女子大生のノブコを呼び出した。ノブコは、ボクの友人タケユキに片想いしていて、なにかと、タケユキに近づくチャンスを画策しようと、その件で協力してるボクの「おんぶして」の要求にしぶしぶ従ってたことは、第34話で述べた。

 今回は、ノブコのお目当てのタケユキは呼び出せなかった。そのことはわかっていて、ノブコはボクとの2人デートに応じたわけで、騙したわけではない。ボクは、おんぶとかの要求を女の子にする悪い奴ではあるが、だましたり遠まわしにわかりにくく言ったりはせず単刀直入正直だ。

 なので、待ち合わせで合流してすぐにボクは

「今日は、おんぶデートだよ。あとで、おんぶしてもらうから」

「えっ、おんぶは・・したくない、けっこう大変なんだから」

「おんぶしたくないのは、わかったよ。でも、してくれるよね」

「・・・うん、少しなら・・」

 ボクはおんぶフェチなので、いろんな女の子に、おねがい口調で懇願して、おんぶしてもらってきているので、たまには、命令口調で、女の子におんぶさせてみたい、と思って今回はノブコを呼び出したのだった。

 そのことーー命令口調で乗りたい――から、演技ということで、そうさせてほしい、っていうことは、まずその場でノブコに伝えた。そして、駅前の混雑を抜けたところで、スクランブル交差点の赤信号待ちがここの交差点はいつも長い。

「ここの信号長くて退屈だからさ。ノブコ、おんぶしてくれよ」

「ハイ」とノブコ打ち合わせ通り。。「よし乗るぞ」と飛び乗る。

「うん、なかなか安定してて乗り心地のいいおんぶだ。ノブコ、前回よりも、いいおんぶになってるぞ。なかなか良い傾向良い傾向」

 信号はなかなか青にならないので、ボクは、ノブコの上でさっそく感じてきてしまった。こんなに即効で感じてしまう理由の1つは、ノブコはボクのことなんかおんぶしたくないのに、タケユキの友達ということで、仕方なしにしているイヤイヤ感が丸出しなところ。

 イヤイヤながらおんぶしてくれてた女の子は他にもたくさんいたが、ノブコのケースは、ノブコが奉仕したい相手は他の男である点。その目的であるタケユキとの接点をつなぐために、好きでもないボクに対して、おんぶという重労働サービス。

「ここの信号、赤長いから、クロさんおんぶして待ってるだけで疲れゃったわよ。青になったら降ろすから、クロさん自分の足で歩いてよね」

「なに言ってんだよ、ノブコが歩くんだよ。この交差点くらい、おんぶで渡れよな。歩く前に終わりじゃ、おんぶの意味ないじゃん」

 そんなこんなな会話してると、信号が青になった。

 「ほら、青になった。歩け歩けノブコ。ゴーゴーノブコ」

そんな命令口調に、ノブコは歩き始めてくれた。人混みの中でのおんぶは、目線が高くるので、いつもながら気持ちいい。嫌々おんぶしてるノブコの粗雑な足取りからくるテンポ感もなかなかいい。

 好きでもない男をイヤイヤおんぶして汗流して歩く女の子って、ホンネどんな心境なんだろうか? ボクは、ノブコの背中の上で性的に感じちゃってることを、ノブコにアピールするかのように、股間の大きくなったアレを、ことさら強くノブコの身体に押し付けるように両腕でノブコを強く抱きしめ

「あああぁぁぁ、ノブコの献身的なおんぶで感じちゃってるよ、背中でわかる?」

「わかるわよ。なんで私、クロさんを感じさせるためにこんなことしてんだろ?」

 ノブコが気持ちよくしてあげたい相手は他の男なのに、今までにも何度か、ノブコは間に立つボクにおんぶサービスをする結果になっている。そのことがお互いにわかってることが、ボクにとっての、ノブコおんぶの萌えポイントだ。そしてそこに今回は、命令調ポイントが加わる。

「ノブコ、信号点滅してるぞ、走れ」

「えっ、こんな重いの背負わせて、走れって命令するの?」

「いま俺は感じて大きくなってるから降りたくないんだ、走れるだろ、走れよ」

 ノブコは無言で走り出したが、70キロをおんぶしてのことだから、スピードアップはあまりできていない。なんとか渡り切ったノブコは、最後の数メートル小走りのせいで、息がハーハーゼーゼーになっていた。女の子っていうのは、好きでもない男の快楽のために、ここまで奉仕してくれるもんなんだなぁ。

「好きでもない男の快楽のために」っていう言葉の響き、エロスかあっていいよね

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