第109話・おんぶしてくれた華奢な女性が重心を失った

 美しいナマ足の輝く女性のおんぶに乗ったまま、ボクは、気持ちよさに浸っていた。彼女の背中から感じる体温を自分の下腹部と股間に感じる暖かみが冬の寒い空気の中で、、こんな、けな気な女の子が、ボクを気持ちよくするために、おんぶという力仕事をしてくれてる。ナマ足は寒くないのだろうか。男をおんぶという重労働をしているから身体は温まってるのだろうか、動かずに立ってるだけでも・・・、いや、そんなことはないよね。

 女の子は70キロの男をおんぶしているだけでも大変なので、足が寒いことなんかに気がまわらないのかもしれない。だとしたら、ボクは、彼女に対して、寒さを忘れるような過酷なことをさせてるひどい奴なのだろうか、それとも寒さを感じないようにしてあげてるイイ奴なのかも。。

 女の子の着ているピンクの高級そうな、もさもさふかふかした洋服は、ボクの身体も暖めてくれて、もさもさふかふかの肌感触、彼女の思いやりに包まれてようで、いろいろな意味での優しさを感じ気持ちよかった。もさもさふかふか服のボクの身体と女性の身体に挟まれた部分は2人の体温でかなり暖かくなっていたので、ボクは冷たくなった自分の手先を片手ずつその部分に挟み込んで暖めたりしていた。女の子は両手でボクの足を持ち続けているので、手の甲が冷えちゃってたら、かわいそう。そう思って、暖めたボクの手で彼女の手を握ってみると、やはり冷たくなっていた。

「手が冷たくなってるね、暖めてあげる」

「うん、それよりも、もう、おんぶ降りてもらっていいですか?」

「まだ、乗っていたいので頑張って・・。いま、ちょうど気持ちよくなってるの、

この気持ちいいのがひと段落つくまでは降ろさないで・・」

「気持ちいいって、まさか、いま背中にかんじてるコレ?」

「ハイ、そうなんです、コレなんです」

「ええーっ、、ひどいよぉ、私の身体を、知らないうちにこんなことに使っていたなんてぇぇぇ。」

「ごめんなさい、申し訳ないです。でも、でもね・・。貴女が女性として魅力的すぎるからですよ。そういわれてもぜんぜん嬉しくないですかね、男に利用されたみたいで、イヤですか? でもこの冬空で、その輝くナマ足、多くの男はドキドキと感じちゃいますよ。セクシーすぎて、でも、ごめんなさい」

「そう言われればそれもいえるけど、今こうして自分の上に乗ってる男の人が感じてるって聞くと、私そんなことのために、なにやってんだろう?って」

「その気持ちはわかります、なので、ボクは今すぐ、貴女の上から降りますね。でも、許してください、ごめんなさい。。それと、ボクからの感謝の言葉を受け取ってほしい、ありがとう」

 と言ってボクは彼女の背中から降りると、彼女は、重心を失ったようにふらふらッとしたので抱きしめてしまったが、嫌という対応はされなかった。よかったぁぁ。おんぶさせられて70キロの重量で密着しあった仲の女の子にとって、抱きしめ合うなんて、軽いもんかもね。

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