第18話・女性書店員に肩車を頼んでみた

 マイナー団体の機関誌や会報誌などを売ってるフロアーのある都区内某中堅書店内のそのエリアは、本棚が高い位置にまで達していたので、お客が自由に使える脚立があった。

 ボクは、脚立(キャタツ)を使おうかどうしようか迷っていると、本の入った箱を運んでいる女性店員が行き来していのが見えたので声をかけた。知的な美人さんというかんじで、動き方から新入社員っぽかった。書店員は日々重い物を持ち上げる仕事で、実はけっこうな肉体労働だということはきいたことある。

「あそこの最上段にある機関誌なんですけど」と声をかけると女性店員は

「ハイ、いま脚立持っていきますね」と。

ボクは「いや、脚立じゃなくて・・」。

女性店員さんは「高くて届かないんですよね、脚立を・・」

「脚立じゃなくて、おねえさんがボクを肩車してください」

「えっ、私が?それはムリかと・・」

「できますよ、とりあえず、しゃがんで」と、ボクは両手で彼女の両肩を下へ押し下げた。

 困った顔をしてフロアにしゃがんだ女性店員の首肩のところにボクは、またがるように座って

「ハイ、立ち上がってボクを持ち上げて」と。

 新人女性店員さんは必死で立ち上がろうとするが重くてなかなか上がらない。ボクから「本棚に両手でつかまりながら立てば、立ち上がれるとおもうよ」と。

 で、もう一度トライして、そのように立ち上がると立てた。ボクは最上段にある機関誌を手に取りぺらぺらとペシーをめくつては戻し、その横のをまたペラペラ見しては戻していた。

 女性店員の肩車に乗ってのことだから、脚立に立ってよりも落ち着いて内容を確認できた。しかしボクにとって機関誌選びはもうどうでもよくて、美人女性店員さんの

肩車に乗ってることの現状幸福感を満喫することのほうが大切になっている。

 女性店員さんは「もうキツいんで、降りてもらつてもいいですか?」と。

「重いのに、すみませんね。もうちょつと頑張ってて」と言いながら機関誌を探してるふりしつつ、実は、女性店員さんの肩車を堪能していた。

「左側の書棚のところの本に届かないんで、左側へ2~3歩移動してください」とボクがいうと、女性店員さんは「えっ、この状態で私を歩かせるんですか」と。とはいえ歩いてくれた。もし脚立だったら、一度降りて脚立を移動してまた上なければならないので、女性店員さんの肩車のほうが楽だ。

 左側へ歩いてくれたところでボクは本を1冊取り「あっ、さっきの機関誌を元の位置に戻すんで、もう一回、さっきの位置に戻って」と指示。女性店員さんはぎこちなく足踏みしながら体の向きを回転させてから右側へ歩いてくれた。この回転のときに店内を高い目線から俯瞰した景色が、すごく気分よかった。

 しかしボクの股間に挟まれた女性店員さんの頭の下から「これ以上はムリです、倒れそうなので・・」と、イロっぽくてかわいい声がし、フロアーに崩れるようにしゃがみこんで、ボクは降ろされちゃった。

 しゃがみこんだ女性店員さんの手をにぎると汗で濡れてるのをジワッと感じたので

「こんなに汗かく大変なことしてくれて、肩車ありがとう。実は上に乗ってて感じちゃって気持ちよくなっちゃってたんだ、だから右へ左へと歩かせて揺れを体感したくなっちゃってたんだよ、ゴメンなさい。。でもおかげでエロ本も買いたくなっちゃった。今からエロ本コーナーにキミも一緒にきて、エロ本コーナーでもまた肩車してほしいんだけど・・」


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