第6話 えっちな命令とかしちゃう?
「使い魔はねー、まあ簡単に言ってしまうと奴隷ってことかなっ! 私が魔女だって信じてくれた?」
ソフィアはドヤ顔でオレを見ている。
奴隷になってこんな誇らしげな顔ができるなんて馬鹿なんだろうか。
ああ、いや、こいつ馬鹿なんだった……。
「おまえ何考えてんだよ! オレはそんな契約に応じたつもりはないぞ。さっさとそんな怪しげな魔法解除しろっ」
「それは無理かなー。この契約は使い魔側からは破棄できないの。でも大翔は魔法が使えないでしょ? それ以外で契約を解除するってなるとー、どっちかが死ぬしかないかなっ♪」
「はああああああ!?」
こいつ本当、とんでもない奴だな!
「どうすんだよ! だいたい使い魔ってもっとこう、動物っぽいやつなんじゃないのか? おまえどう考えてもほぼ人間じゃねーか!」
「それは偏見だよー。そりゃあ魔獣が多いけど、魔女や人を使い魔にすることもあるよ! ほら、人も人を奴隷にすることあるでしょ?」
「いや、そんなんと比べられても。というかその使い魔って具体的にはどんな契約なんだよ」
「んー、まあオーソドックスに絶対服従とか?」
さらっと言ってるのは、それがどういうことか分かってないのだろうか?
頭が痛い。
「おまえ、オレに絶対服従することになるんだぞ? 分かってんのか? もしオレが変な命令したらどうすんだよ」
「えー、なになに、えっちな命令とかしちゃう? それとも拷問かなっ?」
「……よし、服を脱げ。全部な」
「!?」
オレがそう口にすると、ソフィアの手が勝手に動き、ソフィアの服を脱がせ始めた。
どうやら魔法の効果は確かなようだ。
「あっ、待って! 待ってくださいごめんなさいっ! や、やめて……」
ソフィアは抗えない力で服を脱がされながら涙目になっている。
「……冗談だよ。脱ぐのをやめろ」
「……ふえ……ぐすっ……うう……。いきなり脱がすなんてひどいよお」
「ほら見ろ。もっとひどい命令だってできるんだぞ。例えば」
「ああああああ! ごめんなさいお願いしますやめてえええええええ」
泣きながら縋りついてくるソフィアに、もうため息しかでない。
まだ会って間もない相手にこんなことを思うのは失礼かもしれないが、しかしこれではっきりした。
やっぱりこいつ馬鹿だ。
「いいか、おまえがした契約はそういう危険なものなんだぞ!」
「……そんなに私のこと好きにしたいの? でも私にだって心の準備ってものが」
「そこじゃねーよ!!」
オレは思わずソフィアの頭をはたく。
「あたっ」
「オレが死ねとか誰か殺せとか、おまえが嫌がるようなこととか、そういう命令するヤツだったらどうするつもりだよっ」
「大翔はそんなことしないもんっ! 大翔は私のヒーローで、だから……」
「ちょ、おま……ああもう悪かったよ言い過ぎた。ヒーローではないけどな!」
はあ。いったいどうしてこんなことになったのか。
オレは泣きじゃくるソフィアを前に、頭を抱えずにはいられなかった。
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