第7話 薬を売った
ストラスとヘルメ、モアはリビングで話していると、ドアを叩く音がしたので、ストラスが玄関に向かった。
「モア 一応隠れておけ」
コクリとモアがうなずいた
「はーい どちらさ……」
「あんた回復術師だよな!うちの息子を助けてくれ!」
ドアを開けると一人の男が男の子を抱いていて、その隣には奥さんらしき女の人が立っていた。
「ど、どうかされたんですか?」
「ピクニックをしようとしてこの付近を歩いていたら、横から茂みに隠れていたイノシシに突進されて、背中に大きなキズができたんだ!」
そこで、ストラスはその夫婦の息子の背中の傷を見せてもらった。
背中には突かれたような傷があった。
「じゃあ、家の中に入ってください。そうしたら息子さんの背中を出したままテーブルの上に寝かせてください」
ストラスはそう言うと男の子の背中に手を当てた。
「痛いよぅ」
「大丈夫、すぐ終わるから」
ストラスは手に力を込めると白い光が湧いてきて、男の子の背中の傷はみるみる塞がっていった。
夫婦は声を合わせて「ありがとうございます!」と言って、男の子を抱いた。
そこで、ストラスは夫婦に気になったことを聞いてみた。
「なぜ、私の家を知っていたのですか?」
「それはですね、回復術師さん前に村に来ましたよね?帰りに他の冒険者さんにすれちがいましたよね?」
「確かにすれ違いましたね、その冒険者さんに聞いたということですか?」
「そういうことですね。あなたが世界最強パーティーの回復術師だということと家の場所ももう村じゅうに広がったますよ」
それを聞いた瞬間ストラスは嫌な予感がした。そう、怪我をした人たちが家まで来るのではないかと。
「お支払いはどうすればいいですかね?今ゴールドを持ってないので……」
「支払いはいらないですよ」
「本当ですか!?」
そう言うと、奥さんからかぜ薬はないかと言われたので、ストラスが作ったがぜ薬を無料で渡したあと、嬉しそうに帰っていった。
すると横からヘルメが話かけてきた。
「そのかぜ薬村で売ってみたら大繁盛するんじゃない?」
そう言われるとストラスは早速薬を作り始めた。
〜次の日〜
「この薬を200個限定で試しに売ってみるぞ!」
3人は村に行くと村はストラスがきたことに大騒ぎになっていた。そんなことは気にせず3人は薬を売る準備を始めた。
準備していると3人の周りは村の人達でいっぱいだった。
「そろそろ、販売開始するか」
ストラスは大きい声で「世界最強パーティーの回復術師のかぜ薬販売いたしまーす!」と言った
村の人たちは「おおぉーーー!」と言った。
「かぜ薬売るだけなのにこの盛り上がりってどういうことだよ…」
3人はテキパキと薬を売りはじめた。
すると、昨日ストラスの家にきた家族がお礼を言いに来た。
「昨日のことは本当にありがとうございます。かぜ薬もとても効きました」
「お兄ちゃんありがとう!」
「いいんだよ」
すると、その家族の父親がストラスに質問してきた。
「その小さい子はあの薬売ってる子とあんたの子供か?」
ストラスとヘルメは顔を赤くして、「違います!!」と言った。
「おお、悪かったよ。じゃあな回復術師さんよ」
そう言うとその家族は帰って行った。
「かぜ薬は完売しましたー!」
かぜ薬を売り初めて30分程で完売した。
「200個じゃ全然足りないな……これからは個数を増やして売るか……」
「そうですね」
「じゃあさ、4ヶ月に1回売るってのはどうだ? そうすれば個数も多くして売れるんじゃないのか?」
「モア、いい案思いついたな!」
ストラスは家に帰ると早速薬を作り始めた。
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