殺してやる!
茫然としているシオンは思った。
えっ?この人、魔王って言った???
まさか初心者ダンジョンに魔王なんてでないよねー?ねっ!ねっ!?
「ま、魔王って言いました………?」
恐る恐る聞いてみると─
「そう怯えずともよいぞ?我は気に入った者は大切にするのでな」
いや、てめーが魔王なのかって聞いてんだけど?心の中では口の悪いシオンだった。
「ふん、魔王アスモデウスだったか?こんな初心者ダンジョンに魔王とは笑わせるな!」
「我も学んだのだよ。かつて不覚を取ったがダンジョンの最奥で待つより、まだ育っていない勇者達を殺しまくった方が面白いと思ってな!」
クククッと笑う魔王に、シオンは拘束を解こうと暴れた。
「おっと、美しい令嬢よ。そんなに暴れるなよ?おいたが過ぎると─」
ブチュー♪
えっ?私、何された?何をされているの?ナニヲサレタ…………?
シオンは魔王に濃厚なディープキスをされていた。
!!!!?
「う………ん……あん………」
魔王が唇を離すと、上気した様に真っ赤になって、うっとりした表情のシオンがいた。
「キスだけで感じるとはイケナイ子猫ちゃんだな?クククッ」
魔王はシオンに釘付けになっていた。今すぐでも押し倒したいくらいに色気のあるシオンを─
それがスキを作った!
「うおぉぉぉぉぉおおおおお!!!!!!」
!?
ガイアがいつの間にか召喚していた魔剣レーヴァテインを使い、高速で突っ込んで行った!
「おっと!?」
ガイアの攻撃を避けると同時にシオンを離してしまった。
「よくやったぞガイア!」
すぐにマリアもカバーに入り、フレイアが魔戦斧ディザスターを振りかぶり魔王に攻撃を仕掛ける!
ブン!!!
ブン!!!
「ちっ、この大きさの戦斧を自在に振り回すとは!?」
「チョロチョロと避けるな!私の妹を傷物にした報いを受けろ!」
フレイアの猛攻を避ける魔王は確かに強かった。しかし、受け止めようとはしなかった。そこに、イージスとガイアも加わり激戦となった。イージスだけは、どうして初心者ダンジョンで魔王と戦っているんだ!?と、自問自答していたが………
「お姉様!ハイヒーリング!ハイキュア!!!」
マリアが上級回復魔法を何度も掛けた。
「大丈夫です!アイツは魔物です!動物に舐められたと思って下さい!」
マリアは放心しているシオンに話し掛けていた。そんな中、レインだけ自分を責めるように震えていた。
ブツブツ………
「私があのクソ神具を使うのに躊躇したせいで、シオンが傷物になってしまった…………」
いや、傷物になってもシオンを愛し続けるが、シオンが深い傷を追ってしまった。私のせいだ………我が愛しい嫁を傷物にしたクズ野郎を滅さねば!!!!!!
レインは覚悟を決めたようにシオンの肩に手をおいた。
「シオン、助けが遅れてすまない。私の決意が甘かった為に君を危険にさらしてしまった。………私の全てを賭けて魔王を消滅させる!」
レインの目には何かを決意するような力強さが感じられた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
次回予告
次回はこの小説の最大の見せ場となります。
(キランッ☆)
良い意味で読者の期待を裏切るかも知れません。
(最高傑作の予感)作者的に。
連載当初から考えていたものです!
お楽しみに!
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