嫉妬じゃないよ?(嘘だ!)
「あの~?どうして僕までここにいるんでしょうか?」
有無を言わさず連れて来られて戸惑うイージスにレインが素晴らしい笑顔で言った。
「いや、ダンジョン調査にもう1人ほど人材が居れば助かるなーと、会議で決まってな?そこに丁度よい人材がいたので連れてきたまでだ」
「………僕の意思は?」
ニヤリッ
「君、王族である私より権限があるとでも?」
デスよねー!
「で、でも僕には単位が足りな─」
イージスが言い掛けた時、ガイアが口を挟んだ。
「お前は優秀じゃないか?学年でも10位内キープしているだろう?それに、ダンジョン調査中は単位をくれるそうだから心配するな」
デスよねー!
「僕より適任者は居ると思いますが?」
フレイア姉様がわかっているようで、わかっていない事を言った。
「パーティーで行動するなら知らない人物より知っている人物の方が信用できるだろう?同じクラスメイトなんだから、多少なりとも得意な行動パターンもわかるはずだからな」
デスよねー!
でも、僕が言いたいのはそうじゃないんですよ?フレイア様!?
イージスは段々と諦めに似た目付きになっていた。
「ごめんね?イージス。レイン達が無理矢理連れてきてしまって。でも、私もイージスとダンジョン調査できて嬉しいよ♪」
「シオンさん………」
「もう、シオンって呼び捨てでいいからね!クラスメイトだし!」
!?
コソッ
「……なぁ?ダンジョンで不幸な事故ってあるよな?仲間の攻撃が当たったり」
「奇遇だな?私も同じ事を思ったよ。不幸な事故が起こらなければいいよね?またドラゴンでも襲ってこないかな?」
コワッ!?
聞こえているから!止めて!?マジでもう帰らせてよ!!!!
顔色を悪くして冷や汗を描いているイージスの気も知らず、シオンはワイノワイノと話し掛けていた。
「さて、メンバーも揃ったな?フレイアも久しぶりだね。元気だったかい?」
シオン達の目の前にはSランク冒険者の皆さんが立っていた。
「お久し振りです。なかなかご挨拶も出来ずにすみませんでした」
「いやいや、姉妹でパーティーを組んだって聞いていたからね。君に似て可愛い子達だね」
!?
「有名なSランクパーティーの皆様ですが、私の嫁であるシオンはやりませんからね?」
レインだけが対抗心を燃やしていた。
「まさかダンジョン調査にSランク冒険者が来るなんて………」
イージスは感動していた。普段は滅多に会えない冒険者達だからだ。
「初めての方もいるので自己紹介といこうか。僕はSランクパーティー『月の剣』のリーダー『ユエ』だ」
「私はヒーラーのカノンよ」
「俺はタンク役のガードンだ。よろしくな」
「僕は魔法使いのポップだよ」
「私はサムライのツクヨミです」
この5人が冒険者では最高ランク、Sランクパーティーメンバーである。
シオン達もそれぞれ自己紹介をして、早速話し合いを始めた。
「事前の話しの通り、僕達のパーティーは転移魔方陣を使い、ドラゴンが現れた10階層から上に向かって調査をしていく。君達は1階層から降りて調べてきて欲しい」
「はい!わかりました!」
「それとこれは競い会いじゃない。1つ1つの階層をくまなく歩き、異常がないか調べていくのが大事だ。ちゃんと地図を持って怪しい所を印を付けるようにな」
「ユエさん、わかってますから」
フレイアは新人に言われているようで苦笑いしている。フレイアも学生の身分なので分かってはいるのだが。
「それじゃ行くか!」
「気を付けて!」
「そっちもな!」
ユエさん達は転移魔方陣で先へ向かった。
「私達も行くか!」
「ええ!」
「………やっぱり僕も行かないとダメっぽい?」
イージスは哀愁漂う感じでシオン達の後を追うのでした。
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