弄られキャラ?登場!
シオン達は学園長室から教室へ戻ると、多くのクラスメイトが詰め寄った。
「えっ!?えっ!?なに???」
シオンは状況が飲み込めず戸惑った。
「凄いじゃないか!」
「うん!ドラゴンを倒すなんて凄いわ!」
「なぁ!どうやって倒したんだ!?」
興奮したクラスメイトに囲まれてアワアワするシオンだった。それに引き換え、レインは慣れた様子で対応していた。
「ふっ、あれはフロアボスのミノタウロスを倒した時─」
レインはノリノリで話していた。
「はいはい!みんなで取り囲むのは止めなさい」
少ししてソフィア先生が入ってきた。
「ソフィア先生!」
取り囲んでいた生徒が席に戻った。
「さて、遅くなってごめんなさいね。今回の『事故』の件で話し合いが長引いてしまったわ」
ソフィア先生はシオン達が初心者ダンジョンの調査をする事を説明した。
「─と、いう訳でなんとか来週には潜れるようにしたいと思っています」
担任のソフィア先生の話を真面目に聞いていたが、最後の方でソフィア先生が面倒なことを言ってきた!
「とまぁ、そんな感じでよろ~!じゃ、本題に入ろっか♪」
軽っ!?たまにキャラ崩壊するからソフィア先生は人気があるのよね~ギャップ萌えってヤツね。
「みんなが気になっているドラゴン討伐の話をシオンちゃん達に語って貰いましょう!」
なんだと!?
私は何もしていないから肩身が狭いのよ?
あ、レインとガイアはなんか語りだしたぞ?しかも、お互いに息の合った話し方だな?おい!
あやつらは本当は仲が良いんじゃないかしら?
こうして少し遅くなったホームルームが終わったのでした。すぐに教室から出ていく生徒と、クラスでお話している生徒がいました。
「さてと、今日は疲れたし帰りますか」
シオンが帰る用意をしていると見知ったクラスメイトと目が合った。
「あっ、今帰り?イージス?」
かなり美形の男子であるイージスに声を掛けた。
「えっ!?………ああ、そうだよ」
少し怯えながら答えるイージスにシオンは気にも止めず続けた。
「じゃ、一緒に帰ろっか!」
イージスは何かに怯えるように後ずさった。
「い、いや購買で買い物していくから先に行くよ……」
キュピーーン!
シオンの目が怪しく光ったかに見えた。
「本当!ちょうどよかった。私も買い物あるし一緒に行きましょう!」
シオンがそう言うとイージスは絶望したように項垂れた。それはシオンの後ろにいる二人の王子の殺気に当てられたからだ。
(まぁ、いつもの事なんだけどね)
「し、シオン買い物なら明日一緒にしないか?今日はちょっと用事があってな………」
そう、レインとガイアはこう見えても多忙なのだ。故にシオンは『とある理由』からイージスを誘ったのだが。
「いいよ別に。イージスと一緒に行くから。レインとガイアも早く行かないと怒られるよ?」
うぐっ………シオンにそう言われてはそれ以上何も言えない二人だった。
ガシッ!?
ビクッ!!!
コソッ
「おい、我が嫁に気に入られているからって調子に乗るなよ?」
「おい、イージス、シオンと購買デートなんて死にたいのか?今度はしっかりと断れよ?」
こくこくっと頷くイージスであった。
(哀れな)
さて、シオンがイージスを気に入っている理由なのだが、イージスはとあるアレルギー体質なのだ。いつもは手袋をしてガードしているのだが………
それは─
「さっ、行きましょう!」
キュピン!
シオンはイージスの手袋を素早く剥ぎ取るとイージスの手を握った。
イージスは悲鳴にならない声を上げた。
「ひぃ………シオン……さん、私に触れないで下……さい」
イージスは全身に『じんましん』がでて痒そうであった。そうイージスは珍しい『男性アレルギー』なのである。自分自身は大丈夫でも、何故か同性に触れられると、じんましんが出るのだ。故にシオンは自分が男だと認識できるイージスを気に入っているのである。
まったく酷い女(笑)である。
シオンに気に入られた為、王子二人に睨まれるは、シオンに触られてじんましんはでるはで、踏んだり蹴ったりなイージス。
因みにイージスはこれでも、なかなか優秀な人物なのだ。
侯爵家の嫡男であり、剣と魔法も同級生の中ではベスト10に入る優良物件である。
女子に人気があるのだが、少し気弱で自信の無さから押しに弱く、無理矢理婚約者になろうとする女子が後を絶たなかった。それがシオンと関わったおかげで王子二人の睨みもあり、肉食系の女子は迂闊に近付けなくなったのである。
少しはシオンのおかげで助かっている面もあるので邪険に出来ないのだ。
まぁ、シオンを不当に扱うと命の危険があるのが大きいのであるが………
こうしてイージスの受難は続くのであった。
【続く】
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