美味しい料理は最強です♪


料理が完成してシオンはみんなに振る舞った。


「どうぞ召し上がれ♪」


パーティーメンバーは目の前の料理に箸を伸ばした。ズズズッ………


「旨い!!!」

「シオンの手料理………」ジーン

「美味しいですわ♪」


シオンが開発したフリーズドライの技術で、『インスタント麺』を作り出したのだ。万が一、ダンジョンに閉じ込められても長期保存が効いて最悪そのままでも食べられる。

さらに今回シオンが新しく作り上げたのは『味噌』でした!今、みんなが食べているのは味噌ラーメンである!


「これ、スープも美味しいな!」

「うん♪ズズズッ………美味しい!」


みんなが美味しいと食べてくれるのでシオンも嬉しくなるのだった。


「味噌の開発には時間が掛かりましたからね~」


この世界に大豆が無くて、悪臭を放つラフレシアって植物の魔物から味噌の原料を見つけたのよね………あれは苦労したわ。


この世界に無い調味料を作り出したのだ。苦労したかいがあったよ。シオンは歯みがき粉みたいなケースに入っている味噌を見せた。


「変わった入れ物だね?」

「これは押すとチューブ状に味噌が出るようになっているの。必要な分だけ出せるようにね」


おおっ!と声が上がった。


「新しい調味料だけではなく、使いやすさまで考えるなんてシオンは天才だな!」

「そうね。味噌ってこんな少量でもしっかりした味のスープになるのね!これは凄いわ!」

「ええ!最悪、水さえあれば美味しいスープが飲めるって事ですよね?しかも、これも長期保存が効くのですよね?最高ですわ♪」


ワイノ♪

ワイノ♪


ちょうど同じセーフティエリアにいた、数組の別のパーティーの方々も食べたいと言ってきたので、偶然にマリアが買ってきた味噌をプレゼントして料理を教えた所、大絶賛されました。


そして楽しい食事の時間が過ぎて行きました。


「さて、腹もふくれたし行きますか!」

「ああ、レイン!勝負だぞ!」

「ふっ、わかっているよ」


シオン達はやる気を出して次の階層へと歩きだした。別のパーティーも動き出していました。


「はっ!!!」

「ふんっ!」


7階層までやってくると、それなりの魔物が襲ってきた。


「スケルトンですわ!」


骨の戦士達が錆びた剣を持って襲ってきた。

レインとガイアはものともせずに、数の多いスケルトン達を切り伏せ、バラバラにしていった。


「この程度の魔物なんて敵じゃないぜ」

「ふっ、息が上がっているんじゃないか?強がりはよせよ?」


なんだと!?と、またいがみ合う二人であった。そんな時、ドシンッと大きな音が響いた。


「レイン、ガイア、いい加減にしろ」


フレイアお姉様が魔斧ディザスターを地面に叩きつけ静かな声で、しかし威圧のある言葉で言うのだった。


「お前達は強い。それは認める。しかし、ダンジョンでのいがみ合いは死を招く!貴様が死ぬのは構わん。だが、そのせいで私の妹達にまで被害がでたらどう責任を取るつもりだ?あぁん?」


うぐっ、と二人は言葉に詰まった。


「今のままでは二人ともシオンの相手には不適切と言わざるおえない。もっと時と場合を考えろ!」


フレイアはそう言うと二人を後方に下げて、また三姉妹で先頭を進んだ。王子達は後方で周辺の注意をしっかり担っていたが、終始無言だった。


そして、初心者ダンジョンの最下層10階にたどり着いた。


「流石にここまで降りて来ると疲れますね」

「そうだな。初心者ダンジョンの最下層ともなれば、帝国大迷宮のダンジョンの3階層ぐらいには相当するからな」


これで3階層レベルなんて、帝国の最大のダンジョンはどれだけレベルが高いのよ!?

シオンとマリアは初めて聞いた話に驚いた。


「マリアお姉様は帝国大迷宮に行った事があるのですか?」

「うん?ああ、何度か高レベルの冒険者と一緒に潜った事がある。学園の自由研究を提出する為にな」


えっ?ちょっとフレイアお姉様?夏休みの自由研究みたいにサクッと大迷宮に行かないでもらえますか?仮にも公爵家の令嬢でしょうが!?


「お姉様、余り無茶をしないでくださいね?」

「ああ、気を付けるとしよう」


しばらく歩くと、大きな扉が見えてきた。


「さて、ようやくボス部屋ですね!」

「そうだな。おい、二人とも!汚名返上したいならボス戦では期待するぞ?」


!?


「「はい!頑張ります!」」


なんか二人ともフレイアお姉様に調教されてないか?

ちょっぴり姉に妬けるシオンだった。



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