勇者

 すみません。天城の両親の名前を変更しました。



「勇者?」

「まさか、勇者を知らないのか?」

「ああ! 異世界から来たもので」

「……ここで斬っても問題なさそうな気がしてきたぞ」

「やめて!?」


 本当、なんなんだよ。まだ死にたくないぞ。


「あのな、過去の勇者リンタロウ・アマギ、リョウカ・イズモなんて、誰でも知ってることだぞ?」


 ……んんんん?


「もっかい言って」

「誰でも知ってることだぞ」

「その前」

「勇者リンタロウ・アマギ、リョウカ・イズモ」

「……」


 天城鈴太郎と出雲涼夏……俺の両親なんですが…………?


「…………ちなみにその勇者の特徴って」

「ん? んーと、確かこのあたりじゃ珍しい黒髪黒眼で勇者リョウカはあらゆる武術に精通していたって、話だな。確か……剣技の名前は、出雲一刀流だったか?」

「そっすか」

「そういえば、お前も黒髪だな。染めでもしたのか?」


 このハゲ(鎧で見えない)め、染めるわけないだろう。って、そうじゃなくて。出雲一刀流……確定だな。確か元々の剣術の名前がそんな感じだったはず。母が改変して、なんか違う流派になってるとか聞いたけど。

 勇者か……そういえば、たまに母が常人離れした動きしてたけど、そう言うことなのかな……


「……地毛ですよ。もう行きましょうか。なんか疲れたんで、早く行きましょう」

「お、おう……」


 俺の顔を見て、なんかビクッてしたけど、どうしたんだ?


(こいつ、一瞬、目が死んでたぞ。大丈夫か?)

「なんか言いました?」

「い、いや、なんでもない」

「?」

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