Day27 ほろほろ ~四番街・菓子屋《銀の匙》~

『食べられる雪が欲しいの。でも冷たいのは嫌よ』

 王女の要求はいつだって謎かけのようだ。

 ありきたりな氷菓子を出したところで、お気に召すとは思えない。

 ならば。


「ご所望の『食べられる雪』でございます」


 口の中でほろほろと崩れるクッキーは、まるで雪のような儚さ。

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