Day21 缶詰 ~七番街・街角~

 『思い出』の缶詰をもらった。

 振っても何の音もしない。ジョークグッズだろうなと苦笑しつつ、缶切りを取り出す。

 ぷしゅ、と気の抜けた音と主に缶から溢れ出す、夕暮れ時の匂い。ひび割れた夕焼け小焼け。「また明日」と朗らかに告げる声。

 果たせなかった約束が、詰まっていた。

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