第30話 妨害?

 オープン当日は珍しさからパン生地無くなるまで無茶苦茶売れたけど、15日過ぎた今は安定して来てアンパンが各1000個ほど、調理パンはミートパンが1500ほどにソーセージパンが800ほど、チビパンは安くて子供に人気にんきがあり有るだけ作っただけ売れますが、殆ど儲けにならないサービス品なので100個限定販売にしてます。


 明日から新商品、酵母に使ってふやけた干し葡萄レーズンの廃物利用のぶどうパン小銅貨1枚で販売してみます。

 レーズン酵母用に大量仕入れてる干し葡萄の使用法隠れみのですが、ふやけた干し葡萄は柔らかくて食べ易い、ぶどうの風味が強くて僕はぶどうパン美味しいと思っています。


 お試し、切り分けて試食を置いて、新商品割り引き価格として100個限定で店頭に並べる事にしました。

 好評ならば少し大きくして、1小銅貨5銭貨で販売予定です。

 僕とすれば小銅貨1枚で良いと思いますが、アソウギ君が他商品価格との格差を考えて少しお得感の商品価格としたい要望に応えました。



 いつも通りの平日開店時間10時に開店しました。



 常連客がパンを購入して、ランチコーナーが埋まったころ、一目で貧民街の子供と分かる集団が入店、試食のぶどうパンを食べ店頭に並べたぶどうパンもムシャムシャ食べ散らかし始めました。

「こら!!試食以外の売り物を無断で食べたらダメだぞ!」

「兄ちゃん?この店のパンは無料ただで食べて良いと聞いたぞ」

 7人の子供達の一番年上に見える女の子が変な事を言います。


「僕はナユタ、君の名は?」

「シノ…」

「シノちゃんは、誰から無料ただって聞いたの?」

「皆銭貨1枚貰ったから、言えない」

「教えて暮れる人に、小銅貨1枚あげる」

「「「あそこのパン屋の人が言ってた」」」


 小銅貨に釣られシノと同じ位の年齢の子供達が一斉に教えてくれました。

「シーシャ、巡査を連れて来て!巡査を連れてパン屋に抗議に向かう」

「はっ!」


「シノちゃん達は、後から儲け話をするから、あそこのテーブルでパンを食べてて、シラヌイ!面倒見てやって!」

「はっ!ナユタ様」

 常連客は飲み物セルフに慣れてくれたけど、初めての子供達は世話をしてやらないと勝手が分からないでしょう。


 罪人の子供達に親切過ぎる?


 子供達は教育して店員見習いにするつもりです、貧民街の子供達はせいぜい万引き程度で、まだ悪事に染まって居ないはず、手を差し伸べれば矯正出来る。



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