第19話 パン屋さん開店します

 褒賞金、貴族年金で遊んで暮らせるのに、お父さんとお母さんは、最近宮殿の厨房にこもりパンを焼いています。


 オーブンで焼き上がったパンは、料理人を驚かせていました。

 お父さんのパンはフワフワで柔らかい、とっても美味しいパンだもの。


 今日のパンは新作だって、凄く楽しみです。

 僕には、パン作り教えてくれないけど、こっそり見て知ってる、フワフワの秘密は、干し葡萄で作った特製の汁をパン生地に練り込む事、干し葡萄をどうすると汁が取れるのか、今度はその秘密を覗き見します。



 出来上がったみたい。

「あれ?丸い!」

 僕達の前には丸いパンを上下半分に切って、何かを挟んだ物と丸いそのままのパン、二種類が置かれていました。

「ナユタまずこっちから食ってみろ!」


 アソウギ君と顔を見合わせ、言われた通り、何かを挟んだ物から食べました。

「「美味しい!!」」

「だろう!塩コショウで焼いた肉をコマ切りにし、みじん切り玉ねぎと、トマトソースで和えた物とレタスを挟んだ」


 美味しくて食べるのに夢中です。


「次にその丸いの食べてみな!驚くぞ!!」


 食べると、今度は甘い!!

「「あっ!甘い!美味しい!!」」

 パンの中には、イチゴのジャムが入っていました。

「こっちの方が好き!」

 アソウギ君は、甘いのが良いみたい。

 僕は、お肉を挟んだ方が好きかも。


「調理パンとジャムパンって名前にした、この新作を国王様に献上して、都心でパン屋を開く許可をもらう」


 凄い!!流石お父さん、やる気になってる。



 王様には新作パンが出来たら、献上するよう言われてるって。

 いくら、お父さんが貴族でも、簡単に王様には会えないはずですが特別扱いみたいです。


 僕も着いて来るよう、お父さんが言うので、アソウギ君と二人着いて行くことになりました。

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