詩 私の正論武器

仲仁へび(旧:離久)

第1話




「愉快だね。愉快だね。皆信じ込んじゃって」


「私の正論は強い」


「私が右といったら右になる、左でも」


「まるで万能、神様みたいね」


 問題なんてない

 私の前に 障害なんてない


 どんな屁理屈 戯言だって

 私が言えば正義の「正論」






 簡単にそうやって分けなくても良いんだよ

 誰だってできない事はあるもんね


 優劣つけなくていいんだよ。


 人間って そんな風に区別つけられるものじゃない


 皆大事 個性は大事


 劣っている人なんていないし 優れてる人なんていない


「正論」


 だから ね? 合格になっても 不合格になっても


 そんな事気にしないでよ


 努力足りませんでした やり直しだ


 頑張ろうね きっと次はできるよ


 気休めの言葉 真に受けちゃって


 さぞ耳に心地いいんだろうね


「正論」


 ちゃんと終わらせよう 最後までやろう


 真面目に頑張ろう そしたら報われるから


 なんて そんな事思ってるわけないじゃん


 頑張るのは当然です  その上で結果が出せなくちゃ意味がない

 でもそんな事言わないよ 皆が求めてる事は違うもんね


「正論」


「でも言わない」


「言うのは正論」


「でもそのうえで偽善を上乗せ」


 精一杯他人を思いやる誠意 素敵な人でしょ?


 飾ってあげてるの

 慮ってあげてるの


「正論」


「口にするのは綺麗な方を選んで」


 辛くなったら休んじゃっていいよ 無理は良くないよ


 だって人間だもんね


 使えない人間は ゴミ箱行きだって

 そんな事言わなくてもいいの


 気が付いたら 抗われちゃう

 競争相手はなるべく少なくしないと


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