夢日記
とーとろじー
津波
地震が起きた。午後だった。俺はプレハブの大きな講義室にいた。海はすぐ側だった。10mも離れていなかったと思う。俺は津波が来ることを直感的に予測した。自分も早く逃げたかったが、講義室にいる人たち全員を外に出て避難するように誘導した。俺はほとんど最後の方になって外に出た。涼しい風が吹いていた気がする。空は一面雲で覆われて白かった。海の中に島や船があった。とても綺麗だった。
波は既にやってきていた。その一波は、俺のところまでは来ず、ゆっくり静かに引いていった。2回目は俺の元へ来るとわかっていた。だから待った。二波はまた、急速に、しかし静かにやってきて、俺の足も元へ、ゆっくりやってきた。それは砂浜を踏む裸足を優しく、涼しく舐めていった。青かった。どこまでも青い海水だった。絵の具で着色したかのような青だった。見惚れていた。逃げなくちゃいけないってわかってるのに見惚れていた。あまりの美しさに。
引いた海の向こうに、一つ目の波の後ろに二つ目が、そしてその後ろの波も、見えていた。遠く遠くにあるそれらを、目の端ですら見えていた。逃げなくちゃいけないってわかってる。だけど、そこに立って、大自然を、世界を眺めていた。
一人、俺と同じくらいか少し年上の女の子がいた。その子も俺と同じように、景色に見惚れていて、逃げようとしていなかった。あの子があの後どうなったかわからない。でも想像はつく。
3つ目の波は3、4メートルもある山だった。猛烈なスピードで近づいてくるのを一瞬だけみた。それからは一目散で後ろを振り返らずに逃げた。走って走って走った。でもあの速度には敵わない事を分かっていた。息が切れる。限界を、分かっていた。胸のどこかで絶望していた。ああ、もうすぐ死ぬのかな。
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