脇役の学園生活はこれからです。

HAMAKOBO(かまぼこ)

第1話 主人公卍

みんなが思う漫画や映画の主人公ってちょっと実はいい奴だったりするじゃん。


あとは、一匹狼みたいなクールな奴にこいつは皆んなとは違うとか認められてさ。


その点、僕は明らかに主人公ではない。


一匹狼の思う大多数の『皆んな』の方のわけで。


そんな奴が主人公にはなかなかなれないことを僕は知っている。


まぁ、現実、夢物語なんてそう簡単に存在しないことは、他のみんなも知ってるよね。


可愛い女の子にいきなり告白されたり、急に飛べる能力が自分に付与されたり、地球を救うヒーローになったり。


でも、夢みちゃうよね。


夢みちゃうから、夢では実現してるから、本当に叶うんじゃないかって、勘違いすることだってある。


僕?僕もこんなこと考えたって、億万長者の夢見ちゃうし。


夢をみなくて済むなら、どんなに楽か。


そして、僕は毎日ルーティンで過ごしている。


友達もまぁまぁいる。


僕は今日も教室に向かう途中、心の中でさっきみたいなことを考えながら過ごしている。


僕は教室に入ると、友達の友喜ともきのところに行った。


「おっはよぉ!!髪型いいねぇ!」


あおい、朝からあいかわずうるさいな。」


「いいじゃん。いいじゃん。元気出るだろ?


だってさ、来週はテストだよ?やってらんないじゃん!まじ卍!」


「ふっ。理由になってないじゃん。」


「理由って?」


「あーあ。もういい。」



これが僕の朝のルーティン。


朝からうるさいのって、まじうざいよな。


何がまじ卍だよ。意味なさすぎだろ。


いい加減にして欲しい。


こんな変なうるさいキャラが主人公の奴はなかなかいなよね。


僕だったらそいつ蹴飛ばしてるよ。


ちなみに、もうお分かりいただけたかもしれないが、僕はクールに対応してる方じゃなく、まじ卍のうざい方。


本当はさ、友喜ともきみたいにうるさいとかクールに行きたいけど、実際、正反対にこんなにうるさい。


当然、主人公からは程遠い。


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