Day13 うろこ雲

彼が生まれた日、空は一面のうろこ雲だった。だからというわけではないだろうが、彼の行くところには大抵うろこ雲が湧いて出た。長じて大学生となった彼は、そこで手痛い失恋を経験する。膝を抱え泣き濡れる彼の頬にぽつり、雨粒が落ちた。その日から、彼は雨男となった。

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