転機に気付け!風に乗れ!

風乃音羽

心が揺れた

18歳の時初めての海外旅行は、ドイツでした。

その当時、ドイツのダンスをやっていて、先生とともに公演旅行に行きました。

フランクフルト空港に着き、

宿泊先へ向かう車中から、ケルン大聖堂を見たときの衝撃は言葉では言い表せません。

巨大!

建物全体に施された彫刻!

美しい!

荘厳!


ライトアップされたその姿は圧倒的で、初めて見る、体験するときの電撃派を脳内に感じました。


心が揺れたんです。


2週間のステイ、ドイツ人とのコミュニケーション、ダンスを通じての文化交流、各家庭での生活、お店や街並み、空気、全てが私にとっての刺激でした。

あっという間に過ぎた2週間でしたが、私の中に新しい芽が顔を出したのを鮮烈に覚えています。


私は京都で生まれ育ち、それなりに満足し、面白い人生を楽しんでいると思っていました。

そんな時、一つの新しい国に触れただけで、いろんな感覚や思いが芽生えたことが衝撃的でした。


もっと知りたい!

体験したい!

世界を見たい!


好奇心が溢れ出しました。


そして、思い出したのです。


高校一年の時、超短期留学で、メリッサという女の子がアメリカからやって来て、私の隣の席になったのです。

その彼女と仲良くなって、家族の写真を見せてもらいました。

当時の留学生だから、そこそこ裕福な家庭のお嬢さんだったのでしょう。

その写真の中の家族はキラキラしていました。

大きな家を背景に芝生のお庭のプールサイドでバーベキューをしている写真。

そんな家や、自宅庭でのバーベキューパーティーなんて見たこともないし本当に憧れました。


その時も、心が揺れたんです。


まだ子どものわたしは、いつかアメリカに行きたいから英語は話せるようになりたい、と単純に思いました。

両親に頼んで英会話スクールに通うようになりました。

英語でコミュニケーションをとれるぐらいまでの上達が早かったのは、

「アメリカにいつか行くんだ!」

と決めていたからだと思います。


わたしは、そのことを忘れていました。

何のために英会話力を身につけたのかを思い出したわたしは、そのスキルを使って、大学生という、時間のある間に出来る限り他国を見に行くことを決めました。




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