03-05 そして三國志へ

03-05-01 漢九 霊帝劉宏 上

 霊帝れいてい、名は「劉宏りゅうこう」。章帝しょうていのやしゃごに当たる。十二歳で即位した。とう太后が臨朝し、兄の竇武とうぶが大将軍、陳蕃ちんばんが太傅となった。

 天下より名のある賢人をつのり、李膺りよう杜密とみつらが、結局朝廷に復帰することとなった。人々はこれで天下が再び平和になる、と期待した。

 陳蕃と竇武もこの輿望を受け、このままが宦官たちに好き放題をさせて天下を荒らす訳にはいかない、と話し合う。そうして宦官のうち特に専横甚だしかった「曹節そうせつ」「王甫おうほ」らを誅殺するべく上奏文をしたためていたが、このことが宦官サイドに漏洩してしまう。


 宦官らは速やかに結託。真夜中に血盟の盃を交わし、ついには霊帝に対して陳蕃らが謀反を企んでいる、と讒言する。

 霊帝は王甫を黄門令とし、竇武らを捕縛する権限を与える。まず陳蕃が捕まり、殺された。竇武は自殺したため、その首をはねて晒し者とした。竇太后については南宮に幽閉した。


 第一次党錮の禁にて捕らえられ、やがて釈放された李膺。立身の道を閉ざされたとはいえ、士人らはその高潔さをたたえられ、朝廷の汚濁ぶりがますます喧伝されるに至る。こうした中、士人たちのうち特に際立った者たちが選び出され、序列された。


 筆頭、三君。

 竇武、陳蕃、劉淑りゅうしゅく

 この時代の宗主と言われた。


 二席目、八俊。

 李膺、荀昱じゅんいく、杜密、王暢おうちゅう

 劉祐りゅうゆう魏朗ぎろう趙典ちょうてん朱㝢しゅぐう

 人間の英雄と言われた。


 三席目、八顧。

 郭泰、范滂、尹勳いんくん巴肅はしゅく

 宗慈そうじ夏馥かふく蔡衍さいえん羊陟ようちょく

 徳でひとを導くと言われた。


 四席目、八及。

 張倹ちょうけん翟超てきちょう岑晊しんしつ菀康えんこう

 劉表りゅうひょう陳翔ちんしょう孔昱こういく檀敷だんふ

 救い導くひとへ誘うと言われた。


 五席目、八厨。

 度尚たくしょう張邈ちょうばく王孝おうこう劉儒りゅうじゅ

 胡毋班こむはん秦周しんしゅう蕃嚮はんきょう王章おうしょう

 ひとの救済を助けると言われた。

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