01-07 春秋晋

01-07-01 晋  文公

 春秋しゅんじゅうの覇権国家、しん成王せいおうの弟、「唐叔虞とうしゅくぐ」がその始祖だ。幼い頃兄から「お前を諸侯に封じてやる」と口約束を受けたところ、側にいた「太史佚たいしいつ」という人物に日取りを決められてしまった。成王はそれを冗談だと言ったのだが、却って「天子が戯れ言を言うものではありません」と返され、はじめとうに封を受けた。晋に封が移されたのは息子の代である。


 後に「文公ぶんこう」が生まれる。父「獻公けんこう」は、よそからさらってきた「驪姫りき」を寵愛し、彼女から生まれた子ばかりをかわいがるようになった。文公の兄の「姫申生きしんせい」を殺し、文公も殺そうとする。なので前 655 年、文公は出奔。19 年後の前 636 に公位就任を宣言して帰国した。

 文公の亡命中、そうで食べ物がなくなった。すると従者の「介子推かいしすい」が自らの股の肉を切り取り、差し出した。文公は帰国後苦楽をともにした従者達「狐偃こえん」「趙衰ちょうすい」「顚頡てんきつ」「魏犨ぎしゅう」に恩賞を下したが、介子推には何も与えられない。なので介子推の従者はそれを揶揄する文書を宮殿の門に掛けた。それを見て文公は「私が誤っていた」と、介子推を探し求めた。山の中にいると突き止めたのであぶり出すために山を焼いた。介子推は焼け死んだ。

 人々は介子推の死を悲しみ、文公はその山を介山かいざんと名付け、介子推の領地とした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る