中編 仲良しコンビがお手伝い

 たどりついた公園こうえんでひとやすみした、人間にんげん姿すがたのままの九尾きゅうびきつねとけたぬき。

 ブランコにりながら夕焼ゆうやぞら見上みあげてかなしくなって、もうさとかえろうかとはなしていました。


 そのとき散歩さんぽをしていたおばあさんがふたりをにかけこえをかけました。

「おまえさんたち、なんかこまってんのかい?」

 かくかくしかじか、九尾きゅうびきつねとけたぬきは、おばあさんに事情じじょうはなしました。

 妖怪ようかいであることはかくして。


 おばあさんは「よしっ、うちでバイトしな」とふたりをお手伝てつだいにやとってくれました。

 じつは、おばあさんのおうちはひとりできりもりしているちいさなケーキさんでした。


 明後日あさってはクリスマスイブです。

 いつもいそがしい時期じきにはケーキさんを手伝てつだってくれてる息子むすこのおよめさんがいます。

 ですが、あかちゃんをむために実家じっかかえってしまい、おばあさんはひとりでどうしようかとおもっていたのです。

今年ことしのクリスマスは、うちのケーキ臨時休業りんじきゅうぎょうにしようかとおもっていたんだよ。よかった、たすかるよ」

 おばあさんはうれしそうにほそめました。



 よる九尾きゅうびきつねとけたぬきはは、おばあさんのおうちまることになったのです。

 晩御飯ばんごはんなにべたいかかれたふたりは「あかいきつね」と「みどりのたぬき」をべてみたいとリクエストしました。


 わくわくドキドキ。

 やがてふたりのまえのテーブルにおそそがれた「あかいきつね」と「みどりのたぬき」がならびました。

 ふたりはそれぞれ半分はんぶんこにけてべることにします。


「「いただきま〜す」」


 あつあつ、ふーふー。

 九尾きゅうびきつねとけたぬきのふたりにとって、はじめてべるあじでした。


「「おいしい!」」


 あかいきつねのおげはふっくらジューシーで、みどりのたぬきのかきげは旨味うまみがたっぷりサクサクじゅわじゅわ。

 めんもちゅるちゅると、とっても美味おいしかった。


 これはお手伝てつだいをしっかりやって、妖怪ようかいさとのみんなにもべてもらわなくっちゃ。


 九尾きゅうびきつねとけたぬきは、やるをモリモリしました。





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