九尾きつねと化けたぬきの仲良しコンビ、街の小さなケーキ屋さんで働いてみました【絵本風】

天雪桃那花

前編 おいしい食べ物のうわさ

  妖怪ようかいさとに、仲良なかよしの九尾きゅうびきつねとけたぬきがおりました。


 一年中いちねんじゅうがなりつづける不思議山ふしぎやまあつめていたきつねとたぬき。

 二匹にひきはある人間にんげんたちのまちにはなにやら「あかみどり美味おいしいものがある」とのうわさを仲間なかまからきました。


「ぼくら二匹にひき人間にんげんまちって、あかみどり美味おいしいものがどんなかたしかかめてようじゃないか」と九尾きゅうびきつねがした。

「えっ、どうしたらいいんだい? 妖怪ようかいのぼくらを人間にんげんたちはおどろかないかなあ」

 けたぬきは不安ふあんそうです。

「う〜む。そうだ、イケメンになろう」

「えっ? イケメン?」

「イケメンってかっこいい人間にんげんになれば、人間にんげんたちは好意的こういてきてくれるらしいぞ」

 二匹にひきはいっしょうけんめい練習れんしゅうしました。

 イケメンにけて妖怪ようかいさとりていきました。



 人間にんげんまちの、なんでもっていると評判ひょうばんのスーパーというおみせにやってたふたり。

あかみどり美味おいしいものはどこですか?」

 店員てんいんさんにいてみます。

「はい、こちらです」

「「ややっ、これが『あかみどりのおいしいもの』ですかっ!」」

「はい、そうです」

 さっそく妖怪ようかいさとってかえろうとしたふたりですが、おかねっていないことにづきました。


 途方とほうれて、ふたりはとぼとぼまちをあてもなくあるきました。





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