第20話 SOS20

「死ぬな! エルエル!」

「蒼!」

 なぜか迫真のシーンから始まる最終話。

「勝手に殺すな! この人間が!」

「人間言うな! 僕の名前は蒼です。アハッ!」

 やっぱり緊張感のない蒼と天使エルエル。

「堕天使と言ってもらえるのが自分だけと思うなよ! です!」 

「別にいいもん。だって私も昔は人間だったんだもの。アハッ!」

 一枚上手の元人間の天使エルエル。

「チッ。まさかエルエルが僕の幼馴染だったとは!?」

「正に奇跡。正にミラクル。神様! ありがとう!」

 天使エルエル蒼のお隣さんだった。

「そういえば神様の名前って何だったんだろう?」

「雷神だからゼウス様よ。たぶん。」

 ついでに神の名前も決まった。

「蒼! エルエルちゃん! ご飯よ!」

 蒼ママがご飯の準備が出来たと大声で呼ぶ。

「わ~い! ご飯!」

「嬉しいなったら嬉しいな! アハッ!」

 食べ物に弱い蒼と天使エルエルの日常である。


「ギャアアアアアアー!」

 逃走中の悪魔騎士ルシファーは車にはねられて吹き飛んだ。

「救急車だ! 誰か引かれたぞ!」

 そして救急車に運ばれて病院に直行。


「ていうか、まだ悪魔騎士ルシファーの件がいるんだです。」

「本当ね。カットでいいのにね。」

 話を続けている蒼と天使エルエル。少しずつ物語のアップデートが進んでいく。


「さあ! 気を直していくです!」

「ここで日が変わったというやつね。アハッ!」

 作者時間の問題です。アハッ!

「最初は僕とエル子が仲良くおままごとして遊んでいるです。」

「子供には幸せな時間ね。アハッ!」

 そして泥のおにぎりを食べさせようとするエル子。

「やめろです!? この堕天使が!?」

「堕天使言うな! 私はみんなからカワイイ天使と呼ばれているんだぞ!」

 この頃からエル子は蒼に堕天使と言われていた。今、変換ミスで「エル」が「得る」になった。エルエルの名前は「得子」にしよう。蒼は得子をエル子と茶化して言っているのだ。


「そうか!? 私の名前は得子だったのか!?」

 天使エルエルは自分の人間の名前を初めて知る。

「そうか!? 僕はエルエルのことが好きだったのか!? です。」

 蒼の初恋はませていた。

「・・・・・・。話を変えよう。」

「そうしようです。」

 恥ずかしくて気まずい二人。

「おままごとをしていたら世界に魔王のモンスターが大量に現れて人間を食いまくるです!」

 正に進撃の巨人。

「いきなりの異世界ファンタジー!」

 正にSAO。

「おまけにエルエルも殺されてしまうです。」

「勝手に私を殺すな!」

「しかし! そこに神様が現れてエルエルを天使の姿に変えて延命させてくれる。条件は蒼が魔王を倒す勇者になること。」

「できたな! 物語の始まりが! これなら強制的に物語を始めなければいけないわね! ワッハッハー!」

 確かに即席にしては完璧。

「魔王を倒して、エル子を人間に戻して見せるです! まずは小学校に入学! 全国制覇を目指すです!」

 繋がった。

「これで安心して第3部の物語をスタートすることができるです。アハッ!」


「お正月は寝正月ですな~。」

「冬はこたつでミカンよね~。」

 ホッコリしている蒼と天使エルエル。

「はっ!? うんなアホな!? です。」

 我を取り戻した蒼。

「渋谷区戦の団体戦から東京都23区大会を個人戦に帰る場合・・・・・・渋谷小学校内で代表1名を決めるために個人戦大会を行わなけらばいけないじゃないか!? です。」

 そして大変なことに気がついた蒼。

「気づいてしまったのね。冬の魔力に意識を失っていれば良かったものを。可哀そうな子・・・・・・。」

 天使エルエルは意味深げ。

「やはり人生は戦いの連続です。道を歩けばバナナの皮を踏んでこけるですからね。」

「そうね。人間死ぬまで人生は勉強よね。」

 感慨深い蒼と天使エルエル。

「・・・・・・何の話をしてですっけ?」

「・・・・・・忘れた。アハッ!」

「アハハハハハ―!」

 仲良しの蒼と天使エルエル。


「やはり戦いにストーリーを挟むしかないです! 北斗の拳も聖闘士星矢もそんな感じだ! それが王道です! アハッ! です!」

「気が付いたら19話9万5000字に届いていない! やっと追いついたのは嬉しいけど、逆に文字数が足らないわ!」

 一転して蒼と天使エルエルはピンチに見舞われる。

「ストーリーは学生らしく、次は東京都23区大会で問題なし。その次が東京都代表決定戦です! アハッ! です!」

 ストーリー展開には甲子園を目指す高校野球モノや高校サッカーの様に季節ごとに大会があるので困らない。戦いというか試合をしていれば勝手に盛り上がるからだ。

「後は魅力あるキャラクターと特殊能力の戦闘シーンだけね。特殊能力は幽遊白書やジョジョもそんな感じよ! それが人間の人生だもの。アハッ!」

 それだけで9割がたの漫画やアニメは構成されている。

「そうかキャラクター作りですか・・・・・・。」

「蒼。あんたをもっと壮絶な初期設定に変えて、小学一年生の東京都23区大会を迎えさせてやる! ウッシッシー!」

「エルエル。おまえは相変わらず堕天使ですな。」

「堕天使言うな!」

 これでも仲良しの蒼と天使エルエル。

「僕の初期設定を、もっと、もっと不幸にするのか・・・・・・嫌だなです。」

「僕ヒロみたいに、蒼をダメな子にしたり、いじめられっ子にしてしまおうかしら? それとも呪術みたいに幼馴染のカワイイ女の子を殺してしまおうかしら?」

 物語の始まりは不幸からである。

「なんて可愛そうな僕ですか!? それならエルエルは死んだ僕の幼馴染のカワイイ女の子に決定ですね! アハッ!」

「何ー!? なんて残酷な奴なんだ!? それでもおまえは小学一年生か!? この悪魔の子め!」

「堕天使と呼んでくれー! アハッ!」

 注意。これでも蒼と天使エルエルは仲良しです。

「でも本当にそうやってしまうと、人気アニメの第1話とか、冒険の動機づけが同じなですよね。それでもいいのですか?」

「いいんじゃない。人気アニメも同じなんだから。所詮、人気アニメなんて設定とジャンルを変えただけの置き換えだもの。アハッ!」

「おお!? エルエルが可憐な天使様に見える!」

「堕天使と呼んでくれー! これじゃあ営業妨害だ! うえ~ん!」

 ケンカするほど仲が良い二人。


「なんの話をしていたっけです?」

「設定のリニューアルだろうが!」

 相変わらずの蒼と天使エルエル。

「なんていう悪い言葉使いですか! この堕天使が! です。」

「やったー! 堕天使頂きました! もっと言って。もっと。もっと! アハッ!」

 堕天使に憧れる変態な天使エルエル。

「このネタだけで飯が食えるです。」

「同じことを繰り返している番組は強いのさ。アハッ!」

 お笑いコンビの様な二人。

「さあ、真面目に物語を考えるです。」

「がんばるぞ! おお!」

 やっと真面目に取り掛かる二人。

「エルエルは元々は人間で魔王の手下の悪魔に殺されるんだです。」

「エエッ!? 私は死んじゃうのかよ!? そんなの嫌だ!? だって痛いじゃないか!?」

 痛いのは嫌という天使エルエル。

「そこを神様に助けられて天使として生まれ変わるです。」

「ふう~、良かった。それなら私は救われるわね。アハッ!」

 切り替えが早い天使エルエル。

「僕は地球を救うだけでなく、天使になったエルエルを人間に戻すために魔王と戦うです!」

「蒼! カッコイイ! 私のために戦え!」

 私利私欲な天使エルエル。

「そういう大義名分があると、僕自身がダメな子とか、いじめられっ子設定にならなくていいです。ラッキー! です。アハッ!」

「いや、そこは主人公はダメダメ設定の方が現代の自分に自信がない子にはウケるんじゃない?」

「でも自分がダメって・・・・・・見ていてもゲッソリしちゃうです。」

 ネガティブ・スタートって見ていて精神的に良くない。どちらかというと悪役の復讐とか、心が荒むタイプといった感じのイメージの方が強い。

「やっぱり竜玉みたいにワクワクとか、毀滅みたいに妹を救うんだ的なポジティブな物語が見ていてストレスがなくていいんじゃない?」

「そうですね。僕はエルエルを救うです!」

 蒼の方向性ができた。

「そもそもエルエルの名前ってなんだ?」

「エル、エル子よ。」

「エルエル子!?」

「深くは考えないで。恥ずかしいから。アハッ!」

 笑って誤魔化す天使エルエル。

「次回は3の第一話を考えるです。」

「蒼の小学一年生の夏の東京都23区大会からだけどね。アハッ!」

 字数調整と疲れたので逃げる二人。


「がんばるです! 後1000字です!」

 10万字の調整のためだけに創作は行われ、新しい物語は生まれる。

「これって私と蒼の恋愛ものなのかしら?」

「違うんじゃないです。」

 確かに恋愛モノではありません。

「でもせっかくだから恋愛モノにしましょう。愛は全てに勝るのよ。アハッ!」

「自分がヒロインだと思っていると足元をすくわれるです。」

「そんなライバルがどこにいるっていうのよ?」

「楓。ルシファー。」

 蒼は恋敵の名前をあげる。

「ちょっと待てい! 楓はまだ分かるが、なんで悪魔まで恋敵になるのよ!?」

「悪魔騎士ルシファーは人間界に来て悪魔の記憶を失うです。」

「まさか!? 記憶喪失!?」

「記憶を失って僕が拾って飼います。」

「おいおい!? 捨て犬かよ!? いや!? 捨て悪魔!?」

 新しい言葉が生まれると作品の世界観が広がりますね。

「あれ? ということは私は捨て天使?」

「それは違うですね。」

 創作って難しい。試行錯誤の連続です。

「でも、なんか、将来は全員が神様とか悪魔とか標準装備して戦うんだろうな~っという未来が見えてしまう。」

「そうなると面白くないのよね。結局、ポセイドーンとハーデースと戦うことになるのは明白。」

 ゼウスの兄弟との唯一無二の神を決める対決は北斗の拳の兄弟対決と同じ。神やギリシャ神話を扱う時点で聖闘士星矢と同じ。宇宙戦争に惑星を扱えばセーラームーンと同じ。みたいな。

「細かいことは気にしないで全てごちゃ混ぜで目くらましするカオス、混沌を目指しましょうです。」

「そうね。どれも作品なんて同じようなものだし、小学一年生から始めている所がパクリじゃないわ。」

 ただし蒼が高校生や成人になるまでに作品が永遠に続けられるが終わりが見えない・・・・・・。

「これってやっぱり地獄なんじゃ!?」

「地獄ですね。地獄の3丁目です。竜玉や海賊王、交番よりも長い作品になりますね。」

「飽きないために名探偵みたいに1話終わりの事件解決もので延命しなくっちゃ。」

 ゲッソリする二人。

「蒼! エルエルちゃん! ご飯よ!」

 蒼ママがご飯で呼ぶ声がする。 

「はい! ご飯!」

「わ~い! 今日のご飯は何だろな? アハッ!」

 これでも蒼と天使エルエルは仲良しさ。   

 つづく。



1年2組1班

佐藤 蒼 剣士 神様標準装備 神サンダー

鈴木 樹 剣士 ミイラ斬り

高橋 詩 魔法使い

田中 笑 回復職 秒殺

伊藤 朧 剣士


1年2組2班

井上 楓 魔法剣士 紅葉狩り

木村 築 魔法 謎

林  空 魔法 凡人

斎藤 蛍 魔法 気配を消す

清水 心 魔法 回復道具いっぱい


1年1組

山崎 授 かなり性格が悪い 卑怯

森  静 未だに不明

池田 昴 凡人

橋本 刹 気合突き

阿部 奏 リコーダー


校長 渡辺

購買のおばちゃん。 山本

保健の先生 中村 

剣の先生 小林

魔法の先生 加藤


悪役で教頭。吉田

担任の先生。山田

VR全否定の普通の授業の先生。佐々木

掃除のおっちゃん。山口

給食のおばちゃん。松本


神ゼウス    サイコパス 神サンダー

天使エルエル  マスコットキャラクター

天使ウリエル  神の火 神の光

天使ガブリエル 死者を生き返らせる ドレイン 蘇生魔法リザレクション

天使ラファエル 神の癒し


蒼パパ

蒼ママ 料理が美味しい。


魔王シュベルト

悪魔騎士ルシファー  傲慢 光魔法サンライズ

悪魔騎士アスモデウス 色欲 誘惑テンプテーション

 

悪魔バエル    光魔法ライト 光の矢

悪魔アガレス   地震アースクエイク

悪魔ウァサゴ   暗殺 透明インビシブル

悪魔ガミジン   召喚サモンズ

悪魔マルバス   疫病プレーグ

悪魔ウァレフォル 盗むスチール

悪魔アモン    不和ディスコード

悪魔バルバトス  狩人ハンター

悪魔パイモン   楽器トランペット

悪魔ブエル    薬草 5本の足 とても臭いらしい。

悪魔グシオン   知識 逆転

悪魔シトリー   グリフォン 秘密を暴く


恵比寿小学校

石川 巧 鈍感

山下 誓 約束

中島 伝 受け流す

石井 輝 照明弾

小川 巴 巧が好き


広尾小学校

前田 隠 身を隠す

岡田 錦 錦鯉

長谷川 縫 特殊能力者

藤田 寧 女剣士

後藤 希 やる気なし。


代官山小学校

近藤 鋼 仮勇者

村上 響 魔法使い

遠藤 太 斧 怪力

青木 紅

坂本 洸


港区小学校

斎藤 舞 くノ一

福田 澪

太田 麦 

西村 冥

藤井 基


新宿小学校

金子 刃

岡本 優

藤原 夜

中野 ピッド ピット・パンチ

三浦 アンジョリーナ


世田谷小学校

51原田 雷 雷遁の術

中川 陸

松田 類

竹内 烈

小野 漣

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地球SOS 2 渋谷かな @yahoogle

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