第7話 SOS7

「さあ! 今日から夏の全国大会の代表を決めるクラス対抗戦です。」

 僕の名前は佐藤蒼。普通の小学一年生。

「僕は負けてしまったのでクラス対抗戦には出場できないです。」

 ガックリする蒼。

「大丈夫よ。1年2組は怪我人続出で五体満足なのはあんたぐらいなんだから、きっと試合に出れるわよ。」

 天使エルエルは落ち込む蒼を励ます。

「人の不幸は蜜の味で喜ぶなんて、やっぱりエルエルは堕天使だな。」

「堕天使言うな! こっちは励ましてるんだぞ!」

 相変わらず仲の良い蒼と天使エルエル。

「それにしても僕はまだ小学一年生。いつになったら僕の戦いは終わるんだろうか?」

「おまえ、本当に小学一年生かよ。」

 自問自答する蒼であった。


「日本のちびっ子一人倒すことができないとは情けない! それでも悪魔か?」

 魔王シュベルトは嘆いていた。

「申し訳ありません。」

 怒れる魔王シュベルトにアフリカ大陸を一瞬で滅ぼした悪魔騎士ルシファーが頭を下げる。

「お怒りですね?」

 そこに一人の悪魔が現れる。

「おまえは色欲!?」

「おお! アスモデウスよ!」

「お久しぶりです。魔王様。」

 ルシファーと同じく悪魔騎士のアスモデウスが現れる。

「遅くなりましたがオーストラリア大陸を占領が完成しました。」

「おお! オーストラリアか! よくやった! アスモデウスよ! ワッハッハー!」

 アスモデウスの報告に大喜びの魔王シュベルト。

「アスモデウス。おまえにしては手こずったな。」

「な~に。コアラが可愛かったので遊んでいただけさ。」

 アスモデウスはコアラが大好きになっていた。

「次期にアメリカ、ヨーロッパ、アジアからも悪魔騎士が戻って来るでしょう。その時には地球は魔王様のものになります。」

「楽しみだな。地球が魔界になる日が。ワッハッハー!」

 上機嫌の魔王シュベルトであった。

「アモンはいるか?」

「はい。ルシファー様。」

 悪魔のアモンが現れる。

「日本の侵攻が遅れている。おまえは日本に行って、このちびっ子を倒してこい。」

 悪魔騎士ルシファーは蒼の指名手配所を悪魔アモンに渡す。

「こんな子供をですか? なにかおふざけになっているんじゃないですか? ルシファー様。」

「油断するな。アモン。既にそのちびっ子に6人もの悪魔が倒されているのだ。」

「なんですって!? 日本には恐ろしいちびっ子がいたものだ!?」

 悪魔アモンは同業者が6人も子供にやられたと聞いて驚愕する。

「いけ。アモン。必ずちびっ子を仕留めるのだ。」

「御意。」

 悪魔アモンは人間界に向かった。


「それでは夏の全国大会1年生の部に向けて学校の代表選手を決めるために、1年1組と1年2組のクラス対抗戦を始めます。」

 1年1組と2組のクラス対抗戦が始まった。

「いくわよ! みんな!」

 2組の大将の楓が気合を入れる。

「おお! がんばるです!」

 2組の2班が負傷者が続出したために負けた1班の蒼は2組の副将として選手登録された。

「がんばれ! 蒼!」

「負けたら承知しないわよ!」

「本当は出たかったんですけど、怪我が酷過ぎて。」

 樹、詩、朧は傷が癒えていないので出場できなかった。

「が、頑張ろうね。あ、蒼くん。」

「笑さんも一緒にがんばるです!」

 笑も2組の先鋒として出場する。

「いくぞ!」

「おお!」

 次鋒は心。中堅は蛍。二人は傷が浅かった。一方で蒼の神バージョンと戦った空と築の傷は深かった。


「待たせ過ぎだ!」

「誰だっけ?」

 そこに他のクラスの生徒たちが現れる。

「俺様は1年1組の山崎授だ! 俺様の名前を忘れたとは言わせないぞ!」

「知ってる?」

「知らない。ヤレヤレ。」

 1年1組の授たちが現れた。

「バカにしやがって! いいか! 1年の代表になるのは俺様達1組だ! 2組なんか滅ぼしてやる! 覚えてろよ!」

 授たちは言いたいことだけを言って去っていく。

「困ったちゃんがいっぱいですね。」

「そうね。きっと1組っていじめとか暴力とかが流行っているのよ。」

「悪口ばっかりの闇クラス掲示板とかあるんでしょうね。怖~い。」

 蒼と楓は呆れた。

(あいつだ。佐藤蒼。)

 授の脳裏には新人戦で蒼一人にやられた屈辱が刻まれていた。

(お前だけは俺様が倒す! いや! 試合にさえ出させなければいいんだ!)

 また何か悪いことを企む授であった。


「ちょっとトイレに行ってくるです。」

 蒼は1年2組の群れから単独行動をとった。

「すいません。トイレの水が止まらないんですけど見てくれますか?」

 そこに謎の生徒が現れた。

「いいですよ。アハッ!」

 幼いので純粋な蒼はトイレに入る。

「ギャアアアアアアー!」

 そして蒼はトイレに閉じ込められる。

「ワッハッハー! 引っかかったな! 佐藤蒼!」

「まさか!? その声は!? ザキヤマ!?」

 そう。謎の生徒は授であった。

「おまえはもうトイレから出れない。試合が終わったら出してやるぜ。ワッハッハー!」

「しまった!? 謀られたです!?」

 蒼はトイレに閉じ込められてしまった。


「蒼が遅い? うんピーが長いのかしら?」

 2組のメンバーたちは蒼の帰りを待った。しかし蒼はトイレに閉じ込められたので戻って来ない。

「仕方がない。大将の私を副将で、蒼を大将に変更しよう。」

 蒼は大将になった。

「それでは夏の全国大会の代表を決めるためのクラス対抗戦を始めます。礼。」

「よろしくお願いします。」

 いよいよ試合が始まる。

「蒼は遅いわね?」

「奴なら来ないぜ。ケッケッケ。」

「え? それはどういう・・・・・・。」

 楓は嫌な予感がした。


「両チーム! 先鋒は前へ!」

「はい。」

 1組は阿部奏。

「は、はい。」

 2組は田中笑。

「笑! がんばって!」

「う、うん。わ、私がんばる。」

 相変わらずの自分に自信のない笑であった。

「先鋒戦! はじめ!」

 夏の全国大会に向けての学校の代表を決める戦いが始まった。

「参りました!」

 開始直後に笑の必殺「参りました!」が炸裂する。

「ですよね。」

 楓は数合わせの笑に期待はしていなかった。

(やった! 噛まずに言えた! アハッ!)

 笑一人は心の中で大喜びしていた。


「2組次鋒清水さん前に。」

「はい。」

 2組の次鋒の心がリングに上がる。

「心! がんばって!」

「任せておいて!」

 心は今大会までに新人戦でも樹を病院送りにして自分に自信をつけていた。

「おいおい。なんだ? 2組は回復職ばっかりか? 冬の団体戦ならともかく、個人戦の夏の大会で勝負にならないぞ? これは俺様達の勝ちだ。ワッハッハー!」

 授は2組をバカにしていた。

「そんなことやってみないと分からないじゃない! 戦う前から諦めていたら何もできないわ!」

 前向きな楓はポジティブな言葉を放つ。

「試合! はじめ!」

 いよいよ心と奏の戦いが始まる。

「こい! どこからでもかかってこい! 私には大量の回復薬がある! エッヘン!」

 心は回復薬をもてるだけ持っている。

「・・・・・・。」

 しかし両者とも一歩も動かなかった。

「ん? どうしてかかってこないの?」

「私、アタッカーじゃないよ。あなたは?」

「私もヒーラー。まだ攻撃魔法なんて覚えてないもん。」

「・・・・・・。」

 衝撃の事実。どちらも攻撃手段を持っていなかった。

「でも私は武器を持っているわ。」

 奏は何かを取り出す。

「リコーダー!? まさか!? リコーダーで私を殴る気!?」

「どうしてそうなるのよ!? 私のリコーダーの音色を聞かせてあげる。」

 奏はリコーダーを吹き始めた。

「きれいな音。」 

 心は奏のリコーダーを聞いた。

「場外に出なさい。」

「はい。」

 心は奏に命令されるままに場外に歩いて出てしまう。

「勝者! 阿部さん!」

 2試合目も奏の勝利。

「心!? どうしてリングの外に出るのよ!?」

「分からない!? 体が勝手に動くんだもん!?」

 心は自分の体が勝手に動いたと主張する。

「はっ!? まさか!?」

 その時、楓は何かに気がついて奏を見る。

「その通りよ。私のリコーダーの音色には他人に催眠術をかけて操る効果があるの。」

「なんですって!?」

 奏は楽器を演奏することでサイキック能力を使うことができた。

「卑怯よ!」

「ただリコーダーを吹いているだけで卑怯なの? アハッ!」

 攻撃力が乏しい奏は意外にも強敵であった。

「どうしよう!? 楓!? もう二人も負けちゃったよ!?」

「そうね!? 蒼のうんピーはどれだけ長いのよ!? 早く帰って来なさいよね!」

(これでは私の「あなたの死は無駄にしない!」という決めゼリフが言えないじゃない!)

 楓は内心、別のことで焦っていた。


「2組中堅斎藤さんはリングに上がってください。」

「はい。」

 蛍が試合に挑む。

「蛍、耳栓する?」

「大丈夫だよ。私は姿を消すことができるから。アハッ!」

 蛍は姿を消すことができる。

「蛍! がんばって!」

「できるだけがんばる!」

 楓が蛍に声援を送る。

「はじめ!」

 奏と蛍の試合が始まる。

「ステルス!」

 蛍は姿を消す。

「どうこれで私の姿は見えないわよ。」

「それはどうかしら?」

 奏がリコーダーを吹き始め美しい地獄の音色が響き渡る。

「ギャアアアアアアー!」

 姿は見えないが蛍の悲鳴が聞こえてくる。

「どんなに姿を消しても私のリコーダーの音色はあなたに届く。さっさと降参しないと鼓膜が破れるわよ?」

「ギャアアアアアアー! 参りました!」

 蛍は耐え切れずに降参した。

「勝者! 阿部さん!」

 奏、驚異の三連勝であった。

「この調子だと俺様達の出番はないな。奏がいれば楽勝だ! ワッハッハー!」

 授は自分の組の勝利を確信した。

「大丈夫? 蛍。」

「うん。もう耳鳴りはおさまったよ。」

「良かった。」

 蛍は無事だった。

(クソッ! どいつもこいつも死なないじゃないか!? 私の決めゼリフはどうしてくれるんだ!?)

 ストレスの溜まる楓。


「2組副将井上さん、前へ。」

「はい。」

 いよいよ楓の出番である。

「あなたも私の笛の音を聞かせてあげるわ。」

「こい。おまえの技はもう見切っている。」

 奏の挑発を自信満々に言い返す楓。

「はじめ!」

 楓と奏の試合が始まった。

「くらえ! 死の音色! ミュージック・オブ・デス!」

 奏のリコーダー演奏が楓に襲い掛かる。

「ギャアアアアアアー!」

 楓が奏のリコーダーの音色を聞いて苦しがる。

「見たか! 私の音色を聞いて助かる者はいないのだ!」

 自信満々の奏。

「なんちゃって。アハッ!」

 しかし楓はビクともしていなかった。

「なに!? バカな!? 私のリコーダーの音色が効かないというのか!?」 

「へたっくそなリコーダー。言ったでしょ。私にはあなたのリコーダーは効かないって。」

 楓は奏に耳を見せる。

「耳栓!?」

 楓は耳栓をしていた。

「だからあなたの技は私には効かないって言ったのよ。アハッ!」

「卑怯者! 正々堂々と戦え!」

「あんたの楽器の音色の方が特殊攻撃でしょうが! この卑怯者!」

 リング上は楓と奏の卑怯者の応酬だった。

「今度はこっちの番よ。いくわよ! 今まで死んでいった仲間たちのためにも私はおまえに勝つ!」

 実際は誰も死んでない。

「くらえ! 必殺! 紅葉狩り!」

「ギャアアアアアアー!」

 楓の必殺剣が奏に炸裂する。

「楓! やった!」

「す、すごい!」

 初勝利に大喜びの2組のメンバーたち。

「まず一人。あと4人。」

 楓は1組のメンバーを睨みつける。


「まさか奏がやられるとは!?」

 大将の授は予想外の出来事にビビっていた。

「だが、こっちは後4人もいるんだ。女一人に負けるはずがない。ワッハッハー!」

 余裕を取り戻し笑う授。

「一人じゃないわよ! こっちには大将の蒼がいるんだからね!」

「蒼? 佐藤のことか。あいつは試合には出れないぞ。ワッハッハー!」

「まさか!? あんたたち蒼に何かしたのね!?」

 楓の嫌な予感はよく当たる。

「いけ! 刹! あの生意気な女を吹き飛ばせ!」

「おお! 俺に任せろ! ケッケッケ!」

 1組は次鋒の橋本刹がリングに上がる。

「はじめ!」

 楓と刹の戦いが始まる。

「いくぞ!」

「こい!」

 楓と刹は剣と剣で打ち合って戦う。

「クッ!?」

(こいつ!? 強い!?)

 楓は剣と剣を交えて相手の強さを感じる。

「所詮は女だな。力が弱い。」

 刹も剣から楓の実力を感じ取っていた。

「くらえ! 気合突き!」

 刹は気合を溜めて必殺の一撃を放つ。

「ギャアアアアアアー!」

 楓は吹き飛ばされそうになるが必死に耐える。

「危ない!? 危うく場外に吹っ飛ばされるところだったわ!?」

 場外に足が着いたら負けである。リング内のダウンも負けにするとあっさり試合が終わってしまうことが判明した。のでリング内はダウンはOKで「参った」と負けを認めたら負けとしよう。アハッ!

「どこまで耐えられるかな? 今度はもう少し力を入れて放ってやる。死ね!」

 刹の猛攻が始まる。

「刹は女子供でも容赦ないな。ああいう奴が立派ないじめっ子になるんだ。ワッハッハー!」

 攻撃的で自分より弱い者には強い。刹も授もいじめが大好きな負け犬であった。

(あ、蒼くん! 早く来て! 早く長いうんピーを終わらせて!)

 笑はトイレに閉じ込められているとは知らないのであった。


「zzz。」

 蒼は閉じ込められた便器の上で疲れて眠っていた。


ピカーン!


 その時、トイレから神々しい光が輝きを放つのであった。


「しぶといな。はあ・・・・・・はあ・・・・・・。」

 刹は疲れていた。10発気合突きを放っても楓が負けなかったからだ。

「負けるもんかと勇ましく・・・・・・。欲しがりません。勝つまでは・・・・・・はあ・・・・・・。」

 楓は立っているのがやっとだった。

「もういいよ! 楓! 参ったって言いなよ!」

「そ、そうだよ。こ、このままじゃ楓ちゃんが死んじゃうよ。」

 2組のメンバーが楓に試合の放棄を宣言する。

「大丈夫。私は死なない。無駄死には死なない。言ったろ? 仲間の死は無駄にしないって。ニコッ!」

 楓は必死に笑みを浮かべる。

「何を笑ってやがる! これで最後だ! 気合突き!」

 刹が痛恨の一撃を放ってくる。

「おまえの技は見切った! くらえ! 秘剣! 紅葉狩り!」

 明らかに刹の気合は枯れ果てていた。そこに楓が溜めに溜めまくった自身の必殺技を放つ。

「ギャアアアアアアー!」

 刹は立派に楓に狩りとえられた。

「やったー! 楓!」

 2組のメンバーたちが喜ぶ。

「・・・・・・。」

 しかし楓は反応しなかった。

「か、楓!?」

 楓はリングで立ったまま気絶していた。

「この勝負! 引き分け! タンカーだ! タンカー!」

 楓はタンカーに気絶したまま運ばれていく。

「楓!」

 2組のメンバーたちは楓を心配する。


「なんだ。なんだ。刹も大したことがないな。ケッ。」

 授は負けた仲間には用は無かった。

「授。おまえ性格が悪いな。」

 池田昴が授に物申す。

「ああ? 昴、おまえがいじめられないのは俺様のチームにいるからってことを忘れるなよ。なぜ俺様のチームが1組の代表なのか? それは他の生徒には腐ったミカンを食べさせたからだ! 全て俺様の偉大なる功績のおかげで1組の代表チームになれているのだ! ワッハッハー!」

 授の価値観ではいじめは偉大な功績であった。

「はあ。おまえとは価値観が合わないわ。同じ班でなかったら絶対に相手してないわ。」

 授のチームメイトだが奏といい、昴といい、意外と正々堂々としたものであった。

「まあ、そう言うなよ。向こうの大将もトイレに閉じ込めたから、俺様達の不戦勝だ。戦わずして勝負に勝つ。これが俺様の美学だ! ワッハッハー!」

 授は卑怯者であった。


「待たせたです!」

 そこに蒼がトイレから帰ってくる。

「なに!? アイツどうやってトイレから出てきやがった!?」

 授もビックリ。

「あ、蒼くん! お、遅い!」

 笑はカンカンに怒っている。

「すまない。トイレで眠ってしまったです。」

「あ、蒼くんらしいね。アハッ!」

 簡単に蒼を許す笑。

「楓ちゃんは頑張ったんですね。」

 蒼は楓を見る。

「そ、そうだよ。か、楓ちゃんは蒼くんの帰りが遅いから長いうんピーが終わるまで一人で耐えるんだってがんばっていたんだよ。」

 笑が楓の詳細を蒼に伝える。

「楓ちゃん。安らかに眠れ。私は絶対に負けることはないです。後は僕がやるです! いくぞ! 1組!」

 勝手に楓を殺し蒼は気合を入れる。 


「神サンダー!」

 蒼が神の雷を操る。

「ギャアアアアアアー!」

 何もできないままに昴が黒焦げになった。

「神サンダー!」

「ギャアアアアアアー!」

 森静も何もさせてもらえないまま黒焦げになった。

「残っているのはおまえだけだ。」

 蒼は授を指さす。

「ば、バカな!? どうしていつもこの展開なんだ!? ふざけるな!? この世に神はいるのか!?」

 授は神を呪った。

「神を冒涜する者は許さない。」

 蒼=神である。

「ば、ば、化け物め!? 近づくな!? ヒイイイイイ―!」

 授はチビっていた。

「1組大将山崎くん。早くリングに上がりなさい。」

 審判の山田先生が授を注意する。

「こい。悪党。おまえに明日はない。」

 蒼はいきり立つ。

「でやああああー!」

 と大声を出して授は場外に着地する。

「俺様の負けだ。これでおまえは俺様を殴れまい。別に夏の大会で負けても、次の冬の大会があるからな。痛くもかゆくもないぜ! ワッハッハー!」

 素晴らしくポジティブな授は場外に逃げて負けた。

「関係ない。」

「え?」

「神サンダー!」

 雷鳴、雷光、稲妻が三位一体となって授に襲い掛かる。

「ギャアアアアアアー! やっぱりこうなるのね。バタッ・・・・・・。」

 授は真っ黒こげになり息を引き取った。

「夏の全国大会の1年生の代表は2組に決まりました!」

「やったー! 僕たちの勝ちです!」

「万歳! 万歳! 万々歳!」

「ワッハッハー!」

 蒼たちは無事に夏の全国大会の学校の代表になった。

「zzz。」

 そして力を使い果たした蒼はぬ無理に着くのであった。


「なんか最近は寝てばっかりだな。」

 蒼は学校に眠りに行っている。

「仕方がないわよ。神様が活躍するためにはあなたが寝るしかないんだから。」

 天使エルエルは事情を説明する。 

「いいな。僕も堕天使になりたい。」

「堕天使言うな! 私は立派な天使です。」

 相変わらず仲の良い二人。


「キャアアアアアアー!」

 

 その時、悲鳴が響き渡る。

「悪魔だ! 悪魔が現れたんだわ! 行くわよ! 蒼!」

「もうやだ。だって面白天使がまた出てくるんでしょ?」

「面白天使言うな!」

「アハッ!」

「笑うな! これは運命よ!」

 蒼たちは事件現場に向かった。 


「いけ! 魔物ども! このアモンが人間を倒すのだ! ワッハッハー!」

「ガオー!」

 スライムやゴブリンの魔物たちが街で暴れている。略すことで登場魔物の自由度が上がる。逆に同じ魔物ばかり出た方がショッカーと同じで馴染みができて良いのかもしれないが。

「出たな! 悪魔! ぶっ飛ばすです!」

 蒼が悪魔アモンの前に元気よく飛び出す。

「出たな! ちびっ子! おまえたちも不仲にしてやる! ディスコード!」

 蒼は魔界でちびっ子として指名手配されている。

「そんな技は僕には効かないです!」

「なんだと!?」

 しかし蒼には悪魔アモンの必殺技は効かなかった。

「だって僕とエルエルは元から仲が悪いからです! アハッ!」

「その通り! エッヘン!」

「自慢することかよ!?」

「エヘッ!」

 これでも蒼と天使エルエルは仲良しだった。

「堂々と天使をディスるなんて、なんて恐ろしいちびっ子なんだ!? 人間の子供! 怖いよ!」

 悪魔アモンは蒼に恐怖した。

「このままじゃ埒が明かない。そうだ! 天使を呼ぼう! どうか外れとうるさいのが出ませんように。天使SOS!」

 天使エルエルは天界と交信して助けを求めた。


ピカーン!


 その時、新しい天使が現れる。

「私は天使ラファエル! 神に代わっておしおきよ! アハッ!」

 天使ラファエルが登場する。

「・・・・・・。」

 蒼は固まった。

「ああ~。どうして上級天使って馬鹿ばっかりなの?」

 天使エルエルは呆れた。

「良かったね! 私は当たりだ! アハッ!」

「あんたも外れよ。」

 天使エルエルは天使ラファエルに冷たく言い放つ。

「酷い! あんまりだ! これでも四大天使の一人なのに! ウエ~ン!」

 実は天使ラファエルは偉い天使らしい。

「・・・・・・人で不足だったんだろう。うん。そういうことにしておこう。」

「それを言うなら天使不足よ。アハッ!」

 蒼と天使エルエルは自分の心に言い聞かせた。

「いいわよ。いいわよ。悪魔なんか私が倒してみせる!」

「え? ラファエル様、回復せんもんですよね?」

「そうよ。それが何か?」

「どうやって悪魔を倒すんですか?」

「こうするのよ。」

 天使ラファエルは悪魔アモンに近づく。

「ヒール! 注入!」

 天使ラファエルは回復魔法を悪魔アモンに注ぎ込む。

「ギャアアアアアアー! 覚えてろよ!」

 アモンは回復魔法を体に流し込まれて死にそうになり慌てて走って逃げて行った。

「めでたし。めでたし。地球の平和は僕が守ります!」

「あんた何もやってないでしょ?」

「アハッ!」

 蒼の人生はまだまだ続く。

 つづく。


1年2組

佐藤 蒼 剣士

鈴木 樹 剣士

高橋 詩 魔法使い

田中 笑 回復職

伊藤 朧 剣士


1年2組

井上 楓 魔法剣士

木村 築 魔法 謎

林  空 魔法 凡人

斎藤 蛍 魔法 気配を消す

清水 心 魔法 回復道具いっぱい


1年1組

山崎 授 かなり性格が悪い

森  静 未だに不明

池田 昴 凡人

橋本 刹 気合突き

阿部 奏 リコーダー


校長 渡辺

購買のおばちゃん。 山本

保健の先生 中村 

剣の先生 小林

魔法の先生 加藤


悪役で教頭。吉田

担任の先生。山田

VR全否定の普通の授業の先生。佐々木

掃除のおっちゃん。山口

給食のおばちゃん。松本


神ゼウス    サイコパス

天使エルエル  マスコットキャラクター

天使ウリエル  神の火 神の光

天使ガブリエル 死者を生き返らせる ドレイン 蘇生魔法リザレクション

天使ラファエル 神の癒し


蒼パパ

蒼ママ


魔王シュベルト

悪魔騎士ルシファー  傲慢 光魔法サンライズ

悪魔騎士アスモデウス 色欲 誘惑テンプテーション

悪魔バエル    光魔法ライト

悪魔アガレス   地震アースクエイク

悪魔ウァサゴ   暗殺 透明インビシブル

悪魔ガミジン   召喚サモンズ

悪魔マルバス   疫病プレーグ

悪魔ウァレフォル 盗むスチール

悪魔アモン    不和ディスコード

悪魔バルバトス  狩人ハンター

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