第463話  スティーブ・ジョブズ

“仏教には「初心」という言葉があるそうです。

初心をもっているのは、すばらしいことだ”



以前、私が書いた孔子の話を書いたことがある。


そこでも触れたが、このように西洋とアジア諸国では


スティーブ・ジョブズでさえも、「初心」という言葉を知ったのは


かなり後になった。


世界は本当に広いのだ。


スティーブ・ジョブズは多くの人に影響を与えた。


しかし、中国の歴史を全く知らないと言っていい程しか知らない。


アメリカでの白人と黒人の人種差別は今でも続いている。


我々が学んでいる事は、海に小石を投げた程度であって、


波紋も波にさらわれるように消えるほどしか、知識も無い。


学ぶ事はいくらでもあるのだ。


それ故に、日本は実に残念でならない。


恥じるほど情けない。


だから? と思う人は論外だろう。


そう思う人は、何も知らなすぎるとしか言えないからだ。


日本はアメリカに守られている。


これは日本だけで無く、世界中が知っている事だ。


本当に仮の話だが、日本から米軍基地が撤退したら、日本は滅ぶ。


一昨日、タクシーの運転手さんとも話したが、


まだ若い十代なら仕方ないが、米軍基地に対して文句を言っているのは


本当にいい歳の人ばかりなのだ。


しかも、基地を設置するに当たり、巨額の援助金も日本はその地域の人たちに


支払っている。それでも文句が無くなる事は無い。


訓練は訓練でしかない。命の危険性がないからだ。


私は日本の自衛隊訓練を見たことはあるが、アメリカ等の訓練とは全く違う。


アメリカの訓練は実戦さながらの緊張感の基、訓練を真剣にしている。


彼らは実戦経験があるから、その危険性や一瞬の迷いで命を落とす事を


知っている。現実の戦争を肌で感じている。


日本人なら初心という言葉を知らない人はいないに等しい程


聞きなれた言葉である。


しかし、スティーブ・ジョブズが知らなかったと言う事は


似た意味の言葉は西洋にもあるのだろうが、初心という適切な言葉が


無い事を示す。彼は初心という言葉に、感銘を受けていた。


ネットで世界が繋がった今でも、我々はまだ何も知らない程度しか


知識を得ていないのだろうと思わせる言葉だ。

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