第464話 映画 イコライザー ラスト

映画はまるでパズルのようなものだ。全てを埋め尽くしていないのが


映画やドラマの世界であり、抜け落ちたピースははめずに、最低限の説明をする。


では抜け落ちたピースとは何だ? それこそが映画でいうと過程になる。

大切ではあるが、完全にはめられたパズルは無い。


そこが大切だが残酷でもあるから、言葉だけにして不快感を可能な限り

小さく収めている。古い映画でも良い映画というものは、抜け落ちたピースが

重要な役割を果たしている映画やドラマになる。


デンゼル・ワシントンの演じるロバート・マッコールは覚悟を決めた。

彼は悪徳警官を追い詰めた。

悪徳警官は叫んだ「俺はもう終わりだ!」


ロバート「お前はバッジを汚したんだ。いいか?」


警官「うるさい。俺にはもう何もないんだ! お前のせいだぞ、覚悟しとけよ。次はお前だ! 俺は殺される!」


ロバート「何かしろ」


警官「連中を分かって無い。一週間以内に殺される」


ロバート「なら償いを」


警官「クソ……」


ロバート「償いをしろ。ベテランのお前なら、万一の保険はかけてるはず」


警官「いい警官だった……昔の俺は」


ロバート「分かってる。正しいことをしろ。仲間のために。話せ」


このシーンは半分を過ぎた頃のシーンの模様だ。


文字にすればこうなるが、映画では演技力が試される。

小説でいう三人称視点での表現力だ。


いい警官だったと彼は言った。この時、彼は覚悟を決めた。そしてロバートに

対して、昔の俺はと言った。誰もがそうだ。100%では無いのは現実にスパイ等の

存在がいるからだ。


だが、警官になった頃の彼は、町を守ると誓っていた。

しかし、皆、巨大な力には屈しやすい。人間故の弱さとも言える。


ロバートは精神破綻した暗殺者を殺し、基である組織のボスも殺した。


そして再び、日常に戻った。


怪我をしていた少女はロバートが住んでいる近くに毎日通って、彼を見つけた。


彼女は見違えるように普通の女の子になっていた。


彼女は古本屋でお勧めされた本を読み始めたと言い、面白いよ。と言った。

ロバートは良い事だ。と返事をした。


彼女は就職もした。定時のちゃんとした仕事と笑顔で言った。


そして病院から私物を返されたけど、中に——私宛ての封筒が。


1万ドル弱と、街を出るチケットと笑顔で言った。


「口止め料かな?」


「多分ね」


「まあいいか。新しいスタートよ」と彼女は喜んだ顏を見せた


「歌手アリーナ」と彼は言い。


“なりたいものになれる”と彼女は言った。


「体と知と……心でしょ」彼が言い拳を出した。彼女は心でしょと拳を合わせた。


「話しの聞き納めね」


「自分でつむげる」


「ありがとう…………いろいろ」彼女の顏から、全ては彼のおかげだと私は感じた。


そして二人は別々の道を歩き出して終わりを迎えた。


私は昔は今よりも涙脆もろく無かった。この感情は恐らくはこの場面で言うと、


彼の優しさと、絶対に抜け出せないと思っていた彼女だが、生き生きとした場面で


終わる事にあるだろう。


感傷的な事が良い事かどうかは、分からないが、そうなった事は確かな事だろう。


私はこの映画を3,4回に分けて見た。時間的余裕や、気分、それぞれあるが、


見ていて思った。私は生き急いでいる事は。もっとゆっくり歩かないと見落とす事が


あると感じた。

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