第424話 ジェームズ・ディーン
“わたしも自然に親しむようになり、そして今、
この世界に授けられた美しさを認識することができるようになった”
この言葉には彼の気持ちが込められている。
それはこの言葉を直に読んでも伝わりにくいものである。
そして私たちはそれを謎解きのように、彼らの言葉を頭の中に入れて
シャッフルさえて出て来たのが、答えとなる。
誰しもが同じ答えとは限らないが、この言葉は容易に理解できる。
文字をゆっくりと目に入れながら読むと、彼の心が見えてくる。
これはつまり、彼の成長と成功が成った為、今までのように一心に
突き進まなくていい余裕が出来た事を言葉にしている。
人は何かに取りつかれたように、今ではスマホだが、あまり良い事ではない。
人間の感性は、非常に我々に良い影響をもたらしてくれる。
だが、現代ではそれらは誰の目にも届かないただの物として存在するだけだ。
いつも歩いている道でも、同じ人ばかりでは無い。逆に見た事がある人もいたりするだろう。
私も人の事は言えない。私は常に外では音楽を聴いている。
車にひかれて死ぬ可能性も充分にあるだろう。高齢化社会で運転は非常に危険になりつつある。
私の父親は滅茶苦茶、運転が下手だった。でもスポーツカーに乗りたいと言っていた。支離滅裂な人間だった。死ぬまで銀行に行った回数は一回のみ。しかも文句ばかり言っていた。
絶対に役に立たない事は分かっていたから、無関係の私が一緒に行った。
私は常に使い捨てのゴミのように扱われてきたが、今は気が楽だ。
奴が死んで、私が得た物は何も無い。遺産は全部、母親が持って逃げた。
私は稀有な人生にまみれている。だから飽きるような人生では無い。
父親はある日、母親と高速道路を走っていたらしいが、パトカーに止められたらしい。
「すいません。もう少し速度を上げて貰えませんか?」と警官に頼まれたが、
「いや、これが限界だと」言ったらしい。そして後続車にパトカーを従えて
目的地まで行った。父親が若い頃はお金が腐るほどあった。
私4代目だからお金は無いが、それ以上のものを見て来れた。
世の中の、真実と嘘。世間には公表されない事も、そしてお金はあっても
馬鹿は馬鹿なのだとよく理解出来た。そして世の中に大いに貢献した人たちとも
色々話せた。全員が親族ではあるが、ただの金持ちではつまらないと思うような
人間味のある人たちだ。お金は使えば無くなるし、あり過ぎても良く無い。
私は賢いが為、嫌な事も色々知って嫌だった。母親は体裁の為に高校に不正入学させた。あたかも受かったように喜んでいたが、私は殆ど白紙で出した。
もうあの頃には、母親は完全に後戻りのできない人生を送っていたのだろう。
愚かで、何の信念も無い、そして何も残らない最低の人生を味わって死んで欲しい。
私の悲願のひとつでもある。
私は信長のように死ぬ準備をしていた。しかし、どうしようもない愚かな人間に邪魔をされ、阻止されて今生きている。
呆れるほど愚かな人で、こっちとしてはいい迷惑でしかない。その事すらも分かっていない人だった。言われて初めて、気づいていた。自分の視線からしか世の中を見れない人はそうなりやすい。
今、生きているのは何かしらまだ、やらねばならない事があるからだろう。
神に必要とされようとも、私は私を必要としていない。
もう普通の人の人生3回分くらいの濃厚な人生を過ごした。最期は最悪であったが、
振り返れば、私個人の人生で考えると決して悪くない人生であった。
ただ産まれた場所が問題だっただけだ。
そして今は気楽に物を書いている。私は自分の最期の人生で何をするか迷った。
左利きだが矯正させられた為、右手も左手も使えるからピアノでも習おうかとも思った。幼少の頃に無理矢理習わされたが、自分でしたいのと、強制的にやらされるのは
全く違う。
母親の行動は予測通りだ。よくあるタイプで自分の人生を開けなかった、要するに何も得て来なかった人は同じタイプが多い。
その点私は、同棲経験も2度あるし、生活水準はある程度までは問題ない。
しかし母親は最高レベルの生活水準であった為、絶対にすぐに使い果たす事は分かっていた。
そして予想通り、知り合いにお金を借りに行った。返す当てもない。
俺に対してとんでもない事をしてくれた両親と親族が最悪の死を迎えるなら
私はこの命を捧げてもいい! 最初はその予定だったし、読んでくれている人には
ごめんなさい。何回も書いてしまって、こんなどうでもいい事はもうなるべく
書かないようにします。でも本当に酷く酷すぎた。
ジェームス・ディーンは、若くして死んだが、最期は成功を収め、世界の素晴らしい景色と風を感じていたと思うと、彼は幸せだったと言える。ただ短命だっただけだ。
短命でも幸せな人生を送ったと私は思う。
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