第405話 アントニオ猪木

“さあ、やるんだ。やり抜くのだ!”



松岡修造にも似た様な言葉があった。


スポーツ選手は皆、その傾向がある。それは皆、行き着く最後の場所はここにあるからだろう。


最後の場所であっても、それで終わりでは無い。


始まりという言葉のほうが適切なほどである。


彼等は皆、何度も苦難を乗り越えて、乗り越えて、果てしない旅のように


走り続けてここまできた。


何度も自分に対して奮起させ、失敗しても再び奮起し、倒れる事はあっても必ず立ち上がる力強さを非常に感じる。


実際、本物を知っている人の言葉には重みがある。逆に詐欺師の言葉には重みを感じない。ただ、言葉を並べているだけだからだろう。


実際、私がまだ20代の頃、詐欺師のセミナーに知り合いから誘われていったことがある。周囲の人や、私の知り合いは、その詐欺師が言葉を吐く度に、なるほどと声をあげる人もいた。おそらくサクラであろう。


その詐欺師と知り合いと私で話したことがある。私の資質ならすぐに稼げるようになると言っていた。そして一本のペンを出し、これはいくらだと思いますか? と聞いてきた。私はわからないので答えなかったが、知り合いは1000円くらいですか?と聞いた。


詐欺師は言った「このペンの値段は100円でも1万円にでもなるんです」完全に詐欺師だと私は思ったが、知り合いはその言葉に感心していた。


後日、正式に詐欺師として警察に捕まった。


一心にその道を進まなければ、やるしかないという答えを出せない。


何となく程度で思っている事は、結果も曖昧なままで終わりを迎える。


多くの言葉を知る人たちでさえ、そのような飾りの言葉を着けずに、


一心にやりぬくんだ!と言っているのは、その境地に行くにはそれしか道が無いからだろう。私もその過程にいるので、よく分かる。というか偉人の大勢が、頑張れ!!


という言葉を再認識し、真の意味を知ったのは先月だ。


世界の国々の違いを乗り越え、その言葉だけは何故、皆が言うのだろうと考え、


深く深く考えてみた。そしてようやく本当の意味を知った。


この言葉は教えたくても教えることが出来ない言葉であるが故、皆が同じように


頑張れというのだ。本当に頑張って、頑張って這い上がって、頑張れば見つかるかもしれない話であって、頑張りまくったから得る事の出来る言葉では無い。


しかし、信念を持って頑張り続ければ必ず見えるはずだ。


それは偉人たち全員が、口を揃えて言っている言葉であるからだ。

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