第370話 エイブラハム・リンカーン

“あなたが転んでしまったことに関心はない。

そこから立ち上がることに関心があるのだ”



人生で人は皆、転ぶ。そして若い時ほど立ち上がりやすい。


年齢も30歳ほどになると、なかなか立ち上がれなくなる人は増えて来る。


若さゆえに若者は立ち上がれる。それは無知であるからだ。


しかし、色々な事を知り、知れば知るほど、大抵の人は自信を失っていく。


強い信念がある人は、何度でも立ち上がる。自信も不安も半々程度だが、


そのまま立ち上がらずに終わる事は無い。


人生を知り、物事を知るだけで、人生は愉しむ事が出来る。


しかし、多くの人は、形や物が無いと、愉しむ事が出来ない。


リンカーンのこの言葉は、立ち上がり方も色々あるが、


人生において転ぶという事は、失敗であり、失敗から何を学んで


再び、歩き出すかが大切な事である。彼は希望を持てと言っている。


彼は偉業を成した。暗殺され死んだが、彼自身は満足していただろう。


“死”というものは無数の人にとっては、何故大切なのかという質問に対して


的を得た答えを出す事は出来ないだろう。


身近にあるものほど、当たり前に感じすぎて、麻痺したように


使い続ける。


リンカーンが人生において命を懸けて成功したと考えるのならば


安い命であると考えていたはずだ。しかし、現実で自ら陣頭に立って


戦う事と、偉業を成す命とには、全く違う大きな開きがある。


多くの敵を作った彼は、人格者であったが、暗殺された。


それはつまり、現在のウクライナのようなものであって、


勝者こそが正義を語る事が許されるだけであって、


善悪は存在しない。思想の違いであり、国々の状況もある。


それは昔から変わらず、そういうものでしかないのだ。

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