第347話 プラトン
実話の映画ブラックホーク・ダウンの冒頭で、ギリシャの哲学者であるプラトンの言葉を使っている。これは何故か? をまず考えなければいけない。この実話が起きた年は2001年であり、プラトンの時代は紀元前3、400年前である。
この映画は私はAmazonで購入済である。それはこの映画は多くの事を伝えてくれているという事と、戦争というものを忘れてはいけないという私個人の想いから購入に至った。
良い映画というものは、ただ見せるだけではない。普通に見ても勿論よいが、意味のある考えさせられる言葉や、シーンを見せてくれる。
「死者だけが戦争の終わりを見た」
これはプラトンの言葉だ。何も考えずに考えるべきでは無い言葉である。
まず問題点として上げるのは、戦争の武器も文明も違う、約2400年もの差がある時代のプラトンの言葉を引用したか。
まず、この言葉の裏には、戦争というものは時代に関係なく、同じだという意味を含めている。文明は変わるが、人は変わらない。
そしてこの言葉の意味は、単純である。戦争の悲惨さを言葉にしている。だから敢えて「死者だけが」と書いた。実際は違うが、一番大事な点はやはり時代の差はあっても、戦争に関しては、何も変わらないと言う意味が、込められていると私は思う。
戦争で実際は常識は一切無いのだが、敢えて上げるなら、
紛争地域等で「赤十字マーク」を掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはならないと国際法や国内法で厳格に定められています。つまり、赤十字マークは、いざという時にわれわれ国民一人ひとりを守るマークなのだが、これも国際法はあっても襲われる事はある。
戦争とは一切の常識が通じないものだと、認識しておいたほうがいい。
事実、身代金目当てで誘拐される事などはたまに起こる。
しかし、戦争だけでなく、殺し合いのある争いにルールを持ち込むほうが、間違っている。意見が合わない事から生じやすい戦争に対して、ルールをつけても何とも言えない。
ネットが広がる前からも色々勘違いして、それを広めてしまった為、多くの言葉の誤解をしている人は多い。
よくあるのが、信長が好んだ敦盛の歌もその中のひとつである。
50年という言葉が入っているせいで、昔の人の平均年齢が50歳だったとたまに自身満々で話している人などがいるが、全く違う。
あの歌には「人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり」本来はもっと長いのであるが、これを勘違いしている人が多いので、ここだけ取り上げる。
人間の五十年は、天の一番下にある下天と比べれば、化楽天(下天)での一日は人間界の800年であると云われており、それと比べれば夢や幻のようなものだと言っている。
敦盛のような歌は簡単に解釈できるが、プラトンのように古い時代の言葉を引用する心の広さ的なものは、日本人には無い、海外の特有さが非常におもしろい。
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