第320話 ラルフ・ワルド・エマーソン

“人間の幸福は、決して神や仏が握っているものではない。

自分自身の中にそれを左右するカギがある”



そうだ。我々の選択ごとに人生は進む。大きな決断や小さな決断が


自分の人生を育てていく。時には悪い決断もするだろう。


彼女がいれば、そういう時には時間を共有し、素晴らしい時間を過ごして


助けてもらう訳ではないが、心は絶対に救われる。


その最善の選択をする為に、人間は生きている。そうあるべきだと私は強く


訴えたい。多くの有能な人材が、私の世界では消えていった。


私の中で、一生それは消化される事はないだろう。というよりも


消化してはいけない。記憶に残し、それは絶対にあるべきではない事として


私の心に残すべきだから、忘れることが出来ないのだろうと思う。


このエマーソンの言葉は確かだ。


99%危険な道を結果は分かっていても、進むしかなかった。


私は彼らと違い、自分を貫いたから満足はした。


私の終生までの友人が元通りに変わる事は無いが、私にとっては大切な友人だ。


しかし、何事も現実は厳しい。私の誤算は、私の優しい心を利用された事だ。


私ならこう考えるはずだと、私の良心を利用された。99%悪党だと分かっていたが


腐り切った父親が生きているうちに、私は命を捨てて勝てるように計算した。


頭の弱い友人が邪魔をしたせいで、全てが狂った。私は最後の最後まで勝って


人生を終える計画を実行していた。私が勝てるなら私の命など安いものだった。


父からも母からも騙され、私だけはメンタルで負ける事は無いと、周りから言われて


いた。自分自身でもそう思っていた。何故ならそれまでは負けなかったからだ。


常人ならば、私に起きた中のひとつでも心が壊れるほどのものが、私には数十と


槍が降り続けてきた。全ては私が白だったからだ。生きる為に皆、黒になった。


非現実すぎて、本当に非現実であって、起きてはいけない。私はこの事に触れる時、


指が止まる事がある。今もそうだが、現実として受け入れきれなかった。


信じてはいけない者を信じてしまった。


どんな悪党でも最後くらいはまともになるのだと、思ってしまった。


歴史に詳しい私でも……今回の事で得た事もあった。


歴史に残されているのは、現実ではないものも多数あるという事を、知ってしまっ


た。我が一族でも多数ある。世界中にもある。スノーデンは奇跡的に逃げ延びただけ


であって、逃げ延びれなかった人達は多数いる。絶対にいる。誰もが考えない事等が


そもそも存在しない。ひとつの事柄を考える人が、ひとりいれば、必ず他にもいる。


自分自身の中にそれを左右するカギがあるとすれば、私が生きている意味も何かある


のかもしれない。私には分からないが、複数の繋がりの無い人たちから言われる。


忘れることは出来ないが、立ち上がった私には、使命があるのだと、だから生きてい


ると言われるが、仮にあるなら早めに来てほしい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る