『太陽の王子ホルスの大冒険』の謎を解く。

秋山完

01●まえがき

01●まえがき



※本稿は必ず、劇場アニメ作品『太陽の王子ホルスの大冒険』の本編を、

 DVD等でご覧になってから、お読み下さい。


※本稿は小説ではなく、既存アニメ作品の“解題コメンタリー”です。

 “エッセイ”や“評論”の範疇に属します。





       *




 西暦2018年4月に他界された故・高畑勲監督の、“最初の”劇場アニメ監督作品とされる『太陽の王子ホルスの大冒険』(以下、『ホルス……』)。


 公開は1968年、昭和43年のこと。

 今から50年以上も昔です。


 そのストーリーはすでにウィキペディア等で詳しく公開されていて、皆様よくご存じと思いますので、本稿では“作品のあらすじ”は割愛させていただきます。

 

 今や日本のアニメ史に残る、歴史的な遺産ともいえる『ホルス……』。


 しかし、それとはまた別な意味合いで、『太陽の王子ホルスの大冒険』は、


 国内のアニメ史上、まさに空前絶後の傑作といえるでしょう。


 なぜなら、『ホルス……』の作品内容には、21世紀の現在からみても、ファンを心底からうならせる数々の謎が潜み、巧みな伏線が張り巡らされているからです。


 たとえば物語の結末をみれば、少なくとも三種類の異なった解釈が可能であり、それぞれに含蓄の深い、衝撃的なメッセージを読み取ることができます。


 そして謎に満ちたヒロイン、ヒルダの過去を推理しますと、作品中に語られなかっただけでなく、その後の多くの文献においても触れられていない、主人公の少年ホルスにつながる凄絶な運命のエピソードが、じわりと浮かび上がってくるのです。


 しかも、推理する材料はすべて、わずか82分の作品の中に、画像と音声でさりげなく散りばめられています。


 まるで、探偵あなたの訪れを待つ、古風でミステリアスな迷宮のように……


 本稿は、『ホルス……』の作品内容を筆者なりに分析して、その裏面に秘められた、知られざる設定を推論し、その“謎解き”を試みるものです。


 従いまして、所謂“ネタバレ”の要素が含まれます。


 ですから必ず、『ホルス……』の本編を先にご覧になってから、お読み下さい。




※本稿は、すべてが筆者の個人的な感想に基づくものであり、

 制作者の意図を推論することはあっても、断定するものではありません。


※重ねて申し上げます。本稿は必ず、劇場アニメ作品『太陽の王子ホルスの大冒険』の本編をDVD等でご覧になってから、お読み下さい。


※本稿は筆者の“小説家になろう”サイトへの投稿文を、大幅に改稿したものです。

 後半はほぼ書き直しになります。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る