第2話 優子

 優子は目覚めると側にあったミネラルウォーターのペットボトルを取りラッパ飲みでそれを口に注ぎ込んだ。


『…んっ…ぐっ…ぐ…』


 最後に大きく息を吐き出すと今ので半分近く減った2リットルのペットボトルを置いてタバコに火をつけた。


 頭が痛い。二日酔いか、病気だろうか。


 最近は薬を入れる回数も増えている。そのせいだろうか。


『…どっちにしろ、最っ低だな…』


 とりあえず学校には行かなければならない。


 起きるとまずシャワーを浴びる。彼女は朝風呂派だ。


 彼女のベッドの枕元に小さなビニールのパックと1本の注射器があった。


 ビニールの中には微かにだが白い粉がまだ入っている。


 最近神奈川でやたらと出回っていて新聞などでもそれ関連の記事がよく見かけられる。

 神奈川県警でも捜査本部が設置されているが毎日がトカゲの尻尾切りだ。


 今神奈川ではそれ位この白い粉が問題視されていた。


 中でも特に10代の少年少女に多く見られ、不良真面目問わず被害が出ておりとても深刻な問題となっていた。


 魔法の薬と言えば聞こえはいいが


 それはもはや悪魔の粉と言うべきだろう。

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