暴走♡アイドル3~オトヒメサマノユメ~

雪ノ瀬瞬

第1話 魔法

 その魔法の薬はあたしのこのドス黒い血液と混ざりこの体を巡っていく。


 心が堕ちていくのが感覚で分かる。


 とても早いようで、でもすごく遅いような

 決して止めることはできない闇の流れに身を任せる。


「あぁ…またやってしまった」


 もう数えきれない針の痕が心の奥底にある罪悪感を思い出させるが、そんなものはあまりにも無力で私の中でそれはまた始まってしまう。


 天にも昇るようなあの覚醒の時。


 地獄に堕ちていくような快楽の連続。


「もうたくさんなんだ。誰か後ろから刺してあたしを楽にしてほしい」


 心でどんな風に思っても、この脳と体はその粉から逃げることはできない。


 まるで魔法にかかってしまったかのように。


 あたしはなんて愚かで哀れなのだろう…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る