シャルルとオレーヌどちらが国王となるか

ナカムラ

第1話国葬

 今日は、ナドルトという国の国王、ヘリートが、亡くなったため、大規模な国葬が行われていた。

兵士達は、シャルルとオレーヌどちらが、国王となるか噂になっていた。

1人の兵士が言った。「私は、順番から言えば、長男のシャルルだろう。何しろ、あの人は、お優しい。我々には、そういう温かい指導者が、いい。」

しかし、1人の兵士は、言った。「しかし、シャルル様は、お優しすぎる。国王になるには、次男であるが、オレーヌ様のような冷血無比な人間の方が、他の国々への抑止力となる。」

議長ダヒーヌは、国葬が無事に、終わると、会議を開いた。

「どうする、皆。長男であるシャルル様が、国王と、なられるのが、順当であろう。それで、異議ないか。」

すると、1人の者が言った。「いいや、シャルル様では、他の国々に、なめられてしまう。次男であるが、力のあるオレーヌ様が、国王と、なられるに決まっておる。」

議長は、怒って言った。「なめられるとは、シャルル様に、失礼だ。」

もう1人の者も言った。「シャルル様では、お優しすぎます。オレーヌ様のような厳しさが、なければこの国は、滅亡するでしょう。」

議長は、頭を抱えた。「では、どうすればよいのだ。」

1人の者が言った。「ならば、こうすればいい。お2人を、争わせるのだ。自然と、どちらが国王として向いているか、自ずと、見えてくる。議長、そのようにすれば、良いのでは……」

議長は、また、頭を抱えた。「うーん、本当は、長男のシャルル様が、国王となるのが、普通なのだが、確かに、その意見には、私も、賛成だ。これも、私達にとって、よりよい国王を、選ぶためだ。よし、これを議事録に、書こう。シャルル様には、申し訳ないが、2人に、この議事録をご覧頂こう。これにて、この議会は、終了とする。皆の者、それぞれの職務に、戻るように!」

皆は、言った。

「はっ!議長様!」

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