第10話 究極の節約術

「究極の節約術」



 徳大寺有恒先生がこうおっしゃっておりました。


「クルマは買っても売っても損をするものだから

気に入ったヤツ(クルマ)ととことんつき合いたい」


 名言だなあ、深いなあと思います。

 そうです。究極の節約術はクルマを買わないことです。

 クルマを買い替えずに、長く乗ることです。


 なしてかというと、クルマの売買にはうんざりするほどたくさんのしかも訳の分からない「税金」がかかるからです。

 ワシたちから徴収した「税金」は、「ばらまくおっさんたち(おばさんも存在)」のものになります。ワシたちが死ぬ思いで支払った税金は、おっさんたちの高級メロンになっているのです。しかもおっさんたちは贅沢なのでメロンの真ん中の美味いところしか食べません。ワシは皮のすれすれまで食べるのでメロン冥利に尽きるちゅうもんだと自負しています。還暦過ぎて退職して、ぎりぎりで生きているワシにとって、何もしないばらまきおっさんたちに高級メロンを食わせる義理は微塵も感じられません。

 それは究極の「無駄」だとこの歳になってやっと気がついたのです。(遅い)

 ワシがもし総理だったら、(総理から最もかけ離れた存在であるワシが言っても何の説得力もないのですが)クルマに関する訳の分からない税金を全廃したいと思っています。ついでにおっさんたちの給料は9割減で十分です。本当にやる気のある政治家なら本当にこの国のために働く志のある政治家の先生なら、給料なんかいらんと言ってくれそうじゃあないですか。(参考 明治の義人「田中正造」より)

 つまりクルマの売買は「無駄遣い」に他ならないのです。ちなみにガソリンはその半分は税金です。そのうえ消費税までかけているのですから図々しいにも程があると思います。クルマを所有しているだけで毎年膨大な「自動車税」の請求がやってきます。「車検」という名目でついでに訳の分からない税金を強制的に取られます。

 おっさんたちは、クルマがなくては生活できない方がたくさんおられるにもかかわらず、自分たちの高級メロンや高級焼き肉(松阪牛とか)のことばかり考えてクルマから税金をむしり取っています。しかも誰一人声を上げない。上げたことがない。ワシは絶対にいけんことだと思います。


 というわけで、誰にでもできる「クルマについての節約術」とは、クルマを必要以上に買い替えないことです。気に入ったヤツに長くのることだと思います。

よく考えてみたら、ワシはこれまでクルマに関してずいぶん「無駄遣い」や「損」をしてきたのです。

 なして「無駄遣い」をしてしまったか。それは「無知」だったからです。

 そうやって「無駄遣い」や「大損」をして、後悔して失敗して「ああすりゃあよかった」「こうすりゃあよかった」と心底思っていることが多々あるのです。もしかしたらですが、役に立つことがあるかもしれません。

だからワシは「クルマに長く乗る」という視点で紹介したいと思うのです。


節約術その①「無理をしてでも新車を買っとくべし」


 なぜか。保証のレベルが違うからです。

 クルマは機械です。機会だから調子が悪くなったり壊れたりすることがあります。場合によってはとても高くつきます。そんなとき、新車なら「保障」で修理してくれるからです。現在の新車なら、最低でも5年10万キロ保証です。いくら程度のいい中古車でも中古車はそれなりの保証が限界です。

 だから絶対に新車の方が長い目で見ればお得だと思っています。次に売るときも結局高く売れる場合が多いですので、トータルすれば絶対に得だと思っています。

一目ぼれして衝動買いしたZ11キューブ。ディーラーの中古車でしたが、それなりに満足して乗っていたのですが、二年後にCVTが壊れ保証も聞かずに修理に20万円もかかると言われて泣く泣く手放しました。

 右後ろのバネがポッキリ折れて、突然シャコタンになってしまったフォレスター。保証期間が過ぎていたのもかかわらず、なんとリコール扱いで無償修理してくれました。

 この差ですよ。この差。

 ワシはこのとき、新車の保証の威力を思い知りました。


 ついでに言っときますけど、軽自動車の中古車は程度の割に高いくて、需要が多くて値下がりしていないので、無理してでも新車を買った方が絶対にお得なのです。


 それからワシの経験上ですが、できれば装備のいっぱいついた最高グレードを買っておくと、オプションで後付けするより絶対に安いですし、飽きも来ないので結局長く乗れました。

 ワシはキューブを買うときに16万円をケチって「Vセレクション」にしなかったことを後悔しました。オートエアコン(除菌機能付き)や使うと便利なオートライトなどがないグレードだったので後々不便を感じて後悔しました。

 Z34のは、予算を少しケチって「バージョンT」を買って、足回り(ブレーキやタイヤホイール)がしょぼくて後悔しました。今のZ34は「どうせローン組むんだからいっしょいっしょ」と勢いで最高グレードの「ST」にしました。結果として引け目や不便を感じることもなく、十分満足して長く乗り続けています。

 クルマはホイホイ買い替えることのできません。税金かかるし。ナビなどのオプション代も必要だし。だからよく考えて、少しぐらい高くても納得のいくグレードを買っておくと、後々長く乗れるというのが数々の失敗経験から導き出したワシの持論なのです。


 ついでに言うとディーラーといい関係を築いておくことも大切でした。

 クルマを買うときから、無理な値引きを要求したり上から目線で接したりすれば相手はどう感じるのでしょうかね。クルマは買ってからの方がお金がかかる場合もありますし整備や点検も必要です。いい関係を築いておけば絶対に損はありません。ちょっとサービスしてくれたり、ふらっと寄ったときの歓迎の度合いも違うような気がします。セールスさん、ディーラーの方々、同じ人間として思いやりをもって接した方が絶対にいいと思いますよ。思いやりには思いやりをもって対応してくれます。ホントですよ。気軽に寄って、その際に、自分のクルマについての「報告」「連絡」「相談」を気軽に行うといいと思います。「ちょっと変」とか「気になる」とかを伝えておくことも大事だと思います。大ごとにならないうちにね。



節約術その②「基本的にノーマルのまま乗るべし」


 現在のクルマは、ワシたち一般人が考えるよりもはるかに考え抜いて設計し製造されています。だから素人がいじくるとバランスが崩れたり無理がかかったりして結局寿命を縮めることになります。というかそうなりました(泣)

 マフラー、タイヤ、ホイール、ブレーキ、エンジンオイル等々純正品以外は百害あって一利なしだと思っていますし、事実そういうことがありました。

 そんな無駄なことにお金を使うのなら、きちんと半年ごとにディーラーに点検出して純正品を定期的に交換した方が百倍よかったのうというのがワシの実感です。

 偉そうに書いて恐縮なのですが、ワシはこれまでそういうことをたくさんたくさんやって、たくさんたくさんお金を使って、たくさんたくさん後悔する事態を味わってまいりました。そんな経験から学んだことなのです。

 それから各種の添加剤、電装品、ワックスコーティング。だいぶお金と労力と時間を費やしてしまいましたが、設計上そうていされていないことは絶対にやめた方がよかったなあと痛感しています。

 気分の問題もありますが、ワシはオイル交換の度に某高価高級添加剤を入れていました。タービンが壊れて分解して、軸にべったり変なもの(テフロン?)がついていておののきました。ボディも内装クリーニング関係も自分でケミカル買ってきてせっせこせっせこやっていました。でも街灯の下で見たらスクラッチだらけで、隣に停めてあった何にもしてないおっさんのカローラの方がよほどスクラッチ傷が少なかったのはさすがにショックでしたけど。

 タイヤワックス。べとべとしてきてタイヤに良くなさそう。ワシの場合、乗らずにガレージに停めておくことが多かったので、雨などで洗われることがなかったので、タイヤサイドが溶けたようにべとべとになりました。

 ワシは今はワックスなんかかけたがありません。洗車機入れるか水洗いして全部開けて水分飛ばして、隅々までよく拭いて「はい終了」です。でも艶はまったく変わっていません。


 最悪の改造は「事故」です。

 事故を避けるためにも安全運転に努めるとともに、日頃から思いやりを持って周りの人に接したり、小さな命を助けたり、ゴミを拾ったり、神様を拝むなどして「運」を引き寄せておくのがええと思います。ちなみに「事故」は10秒ズレれば遭わずに済む場合が多いんですよ。


節約術その③「愛情を持ってクルマに接するべし」


 人もクルマも同じですが「ちょっとした気遣い」の積み重ねで、その関係は良くも悪くもなるものです。大切なことはちょっとした「愛情」なのではないでしょうか。

真夏に暑さを感じるのは人もクルマも同じはずです。ちょっと日陰に停めてあげるとか、シェイドをつけて直射日光を防いであげるとか。汚れたらこまめに水洗いしてあげるとか、掃除機かけて車内を清潔に保ってあげるとか。坂に停めんとか。

 乱暴に扱わないとか、変なサプリ(ケミカル)を飲ませないとか。ちょっとでも変だと思ったら早めに病院(ディーラー)に連れていくとか、空気圧をこまめにチェックするとか。考えてみればできることはたくさんあります。それをすべてやるというのは不可能かも知れませんが、とにかくちょっとした「気遣い」がクルマを長くもたせるコツのように思います。


 「取説」は必ず隅々まで読んでおきましょう。絶対に損はしません。暇なときにソファーに座ってコーヒーでも飲みながら暇つぶしに読んでおくときっといいことがあります。というかかなり大事なことが書いてありますのでだまされたと思って読んでみてください。それから「取説」に書いてあることに従ってメインテナンスしてください。きっと10年10万キロは大きな出費もなく楽しいカーライフが送れるはずですから。



というわけで、ワシの節約術は簡単です。

① 無理してでも新車を買いディーラーといい関係を築いておくこと。

② 基本的にノーマルのまま乗ること。安全運転に努めること。

③ 愛情をもってクルマに接すること。



 ワシはいろいろな失敗からこのようなことを学びました。特に③については、クルマのために「良し」と思ってやっていたこと、お金や時間をかけてやっていたことがそうでもなくて、もっと大切なことがたくさんあったことに気がついて後悔しました。ワシは自分でクルマの寿命を縮める行為を平気でやっていたのでした。 


 それにしてもクルマの「税金関係」高過ぎです。クルマは企業努力で、昔に比べるとずいぶん安くなったと感じています。「税金関係」も少しは努力してほしいと思います。所有しているだけで、売買だけで、わけのわからない税金を無理やり搾取することはやめてもらいたいものです。

 せめて乗った分だけ、道路を傷めた分だけ、温室効果ガスを出した分だけ、平等に納得の上で負担するだけで十分だと思いますよ。メロン食わんかったら。

 そうして、老若男女誰もが楽しく充実したカーライフを送れる世の中になってほしいのうと心底思っています。


 



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