第31話
嫉妬
奏音は凄く喜んでくれたが、どこに行こうか全くもって決めていなかったので、私は奏音にどこ行きたいのかを聞いてみた。
「えっとね、どっか行くよりも舞の家でお泊り会してみたいな~ダメかな?」
奏音の唐突のお泊り発言で私は凄く驚いた。確かに奏音とは知り合ったばっかりなのに、そんな気がしないほどに居心地がいいし、何なら皐月や菜摘といるよりも楽しいかもしれないと感じている。
私は少しの間悩んだが、奏音なら楽しいかもしれないと思い「いいよ!」と言った。
チャイムが鳴った。
私は席に戻ると、また、横に座っている菜摘に話しかけられた、また、私の惚気を聞き出そうとしていると思い身構えていた。
「舞さ、最近、一組の七尾奏音と仲いいけど、どこで仲良くなったの?」
菜摘は一瞬奏音を方を見て聞いてきた。私は硬くなっていた、肩の力を抜いて小さな声で先生に怒られないように説明した。
「あ~それ、菜摘は知っているか分からないけど、先週ぐらいバスケットボールだったじゃん?」
菜摘は静かに頷いて聞いてくれた。
「それで、早めにきて、バスケットボールで遊んでた男子たちがいてさ、その男子がバスケットボールを手から滑らして、奏音の頭の方に投げちゃって」
菜摘は顔を歪めて痛そうな顔をしていた。
「あ~それか!誰か、鼻血出してたよね!」
菜摘は少し大きな声で納得した声を出したので、教室の全員が菜摘に注目した。私は凄く恥ずかしかった。
「そこ!授業中に喋るじゃない!」
先生は私たちを鋭く一瞬睨みつけて、授業の内容を話し始めた。
「ごめん……」
菜摘は申し訳なさそうに手を合わして謝った。
「で、どこまで話したっけ?あ、そうそう!顔面にバスケットボールが当たっちゃって、それで、保健委員の私が先生に頼まれて、保健室まで連れてってあげたの」
「それから、授業が終わって、教室に戻る時に奏音とあってさ、その時に奏音がお礼をしたいからとりあえず、連絡先を交換しませんかって言われてさ、それで交換して、Lightsで話していく間に仲良くなったって感じかな?」
「へ~そうなんだ!ねぇ、今度さ一緒に遊ぶとき私も一緒に遊ばせてよ!あの子、可愛いし私も仲良くなりたい~!」
菜摘は体を前のめりにして少し興奮気味に言ってきた。私は少し嫌だなと思ってしまった。菜摘が加わると奏音がとられてしまう気がしたからだ。
「分かった、本人に聞いてみるね」
私はなるべく嫌な顔をしないように答えたが、普段はきっと微笑んで返事をしただろうが、今回は真顔で返事をした。
授業が終わり、教室へと戻る途中で奏音が一緒に帰ろうと誘ってくれた。
「帰れるちゃ、帰れるんだけど、彼氏も一緒だけど、平気?」
「そっか~邪魔したら悪いからいいや、また今度一緒に帰ろう!」
と言ってくれたが、凄く残念そうな顔をしていた。
私たちの後ろを歩いていた、菜摘と皐月が言った。
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