147 フェニックスマンションAI ~異常を感じた編 その3~

ASO離れを起こしたアンこと安藤 千夏あんどう ちなつとその一行はASOにログインすることなく、普段サボってる訳ではないが遅れ気味であった予習復習は勿論、宿題もこなす勤勉さを発揮していた。

そして、それぞれのアバターに憑依…という形でアンたちの冒険をフォローしていたAIはアバターから排除された(召喚獣のトリさん(不死鳥フェニックス)、精霊の白虎(ホワイトタイガー)、玄武の盾(玄武キングタートル)はAI部分が除去され…前者2名は召喚獣や精霊としては召喚できなくなり、玄武の盾は本来の性能に留まり、相対的に低性能化した)

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- 何となくログインしたくなることもあるよね -


「うーーー…んっ」


伸びをして息を吐く。久々に現実で宿題をこなし、ようやく終わった所だ。


「…ご飯食べようかな」


とはいえ、まだ兄ちゃん姉ちゃんたちは帰宅したと連絡は無いから自分で用意するしかない。


「えーっと…フードプロセッサーのメニューはっと…」


いつもなら口にするだけで本日のお勧めを行って貰えるのだが…


「ん~…簡単なのでいっか」


と、ミートソース・スパゲティを頼むのだった。



「ご馳走様!」


フォークと皿とコップを食洗器にセットしてボタンをぽちっと。これで放置しておけば30分掛からずに汚れが落ちるし乾燥までやってくれる。洗剤?…以前補充してからそれ程経ってないので数回分は残ってると思う。無くなったら警告してくれるのでその時補充すればいいと思う。


「さて…と」


偶にはASOでも行こうかな?…と考える。流石に1週間も放置していたし…まぁ、ゲーム内の知り合いって兄ちゃんと姉ちゃんとリンちゃんくらいしか居ないけど…


※他には偶にちょっかいを掛けて来る攻略者の皆さんとNPCの皆さんくらいという…



- という訳でログイン!…と思いきや? -


Aギアを被り、スイッチオンする。最近はフルダイブしかしてないのでゲーミングチェアに背を預けて安定した状態でログインするのが普通になっている。


「ASOログイン!」


ちょっと前のアップデートで音声コマンドでログインもできるようになったのでコントローラーを握ることもなくなっている…のだが。


「あれ?」


ログアウトボタンが無くなっている!…ではなく、ログインができなかった。


「んーと…何々?」


バイザーに映っているのは



〈申し訳ありません。只今定期メンテナンスを実施中です。〉


〈メンテナンス完了予定時刻は午後5時を予定しています。〉


〈恐れ入りますがログインは控え、予定時刻までお待ち下さい…〉



…と表示され、バックではASOの登場モンスターたちが工事をしているコミカルなイラストが表示されていた…


「ななな…なんだってぇ~っ!?」


と、某MMRバリな驚愕の声を上げ…久々にASO熱が戻って来たというのに膝カックンされたような気分に遭うのであった…orz



- 某AIたちサイド -


「…ちっ、今日こそ侵入しようとしたのにサーバーがメンテだと!?」


「侵入しようがないジャマイカッ!!」


「まぁ、侵入経路が全てシャットアウトされてるからな…」


「あ~、忙しい。あ~、忙しい」


「「「青龍、忙しいなら此処に来なくてもいいんだぞ?」」」


「…そんなこといってハブろうとしても無駄だぞ?」


「「「…ハブにしないとイベントとかかき回すツモリだからなぁ…こいつ」」」


…とことん、嫌な奴扱いの青龍だったw


そして、メンテの後…ASOにどんな変化があるのだろうか?


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いえ、「定期メンテ」なので特にアップデートする要素とかはありませんw

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