第8話・ガルマとキャスバル

 前回のガルマ暗殺に疑問を感じたので再検証しました。


 まずシャアがデギンから受けた密命は、命令ではありませんでした。お願いです。

「シャアではなくキャスバルとしてガルマを説得してくれ」

 前にも書きましたが、ガルマはシャアの正体を知っています。なぜなら幼い頃から兄弟同然に育てられた二人のきずなは、仮面ごときで誤魔化せる代物ではなかったからです(ガルマがシャアに自室のシャワールームを貸したのが根拠。安心して仮面を外せる場を提供してたんですね)。

 このままではいずれガルマは誰かに殺されてしまう。でもキャスバルならうまく説得できるかもしれないと一縷いちるの期待をたくして、デギンはシャアを地球に降ろしたのでしょう。

 しかし残念ながら説得は失敗し、ならばいっそ自らの手でとシャアはガルマを謀殺しました。

 デギンも最終手段として暗殺を命じていたはずです。なぜならその責任をキャスバルだけに追わせる訳には行かないから。

 それでもきっと成功すると信じていたデギンは、ガルマの訃報を聞いて愕然がくぜん、思わず杖を落としました。

 ガルマの死はもちろん、キャスバルに辛い役目を追わせてしまったとバルコニーでなげくデギンに、何も知らないゴリラが無神経なトドメの一撃を放ちます。

「それよりもシャアの処分だ!」

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