第4話・黒歴史

 前回指摘したウソから、地球連邦は地球から人間を追い出したいという意図が汲み取れます。

 なぜなら地球環境を守るため……なんて真っ赤なウソ! 連邦という巨大システムに仕組まれたシナリオに、地球の命運なんて、これっぽっちも考慮されていないのです!

 前にも話した通り、地球連邦は国家ではなくインフラ関連を母体とした巨大システムです。ジオンを始めとする国家モドキ群は、どこまでも連邦の上に成立しています。

 彼らは連邦に仕込まれた、ウイルスじみたシナリオに操られているだけだったのです。

 そのシナリオは、おそらく宇宙開拓計画。黒歴史そのものです。

 詳細は「人類を宇宙に進出させる」「人類の生存領域をどこまでも広げる」「そのためには地球がどうなろうと構わない」だと推察できます。

 なぜならジオンを操って地球にコロニーを落とさせ、総人口を半分に減らしたのは連邦だから。

 他にも隕石やらアクシズ(未遂)やらエンジェル・ハイロゥやら、様々なモノが落ちて来ます。

 連邦はそこまでしても人類を宇宙に追いやる気マンマンなのです。

 ティターンズを使ってサイコガンダムでホンコンを破壊したのも、その一環。地球はもはや安全な場所ではないとアピールするのが目的でしょう。

 だってそうでしょ? ティターンズはアースノイドのためにスペースノイドを懲らしめるヒーローのはずなのに、どうして地球の都市を破壊しなくてはならないのでしょう?

 あれは決して事故ではありません。

 なぜなら冨野監督は偶然より必然を好むタイプですから。


 そしてジオンはネオ・ジオンに、貴族主義だの木星帝国だのザンスカールだの次々と湧いては消去される黒歴史。

 宇宙世紀の開拓計画、または連邦の裏シナリオに、騒乱は欠かせないのです。市民の生活が安定すると開拓が止まるから。


 そしてクラックス・ドゥガチの地球壊滅計画。彼もまた連邦の手先です。地球を壊してでも人類を宇宙に出すための布石……。

 黒歴史とは戦争の歴史ではなく、戦争を手段とする宇宙開拓計画だったのです。

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