第2話 異界の巫女にはファンが足りない(途中まで/当時未公開)

 その日も雨は降らなかった。ブルンネン公国を治める大公キーファー7世は豪奢なかんむりいただいたまま頭を抱え、声にならない溜息をついていた。公国の南方に広がる農業地帯にはもう一ヶ月も雨が降っていない。このまま干魃かんばつが続けば、幾百幾千の領民が飢え死にしてしまうだろう。


「父上。いま戻りました……」

 白一色の「祈りの衣装」を纏った愛娘が、憔悴した表情を浮かべたまま帰城の挨拶を述べる。天への祈りが今日も届かなかったことは、その顔を見ただけで察せられた。



(以下、執筆打ち切り)

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