本編(未完)
第1話 亡命希望者(途中まで/仲間内でのみ公開)
月の
大画面に映し出されるのは、きらびやかな
アンナとそう変わらない年齢のはずなのに、東洋人である彼女の顔立ちは随分と幼く見えた。
「わたしは『ビリオン』のカスミ=ウメヤシキ。貴国への亡命を希望する」
ここまで全力で走ってきたのだろう、白い頬をピンク色に上気させ、汗のたっぷり染み込んだ黒髪を乱れさせたままで少女が叫んだ言葉を、
実際のところ、アンナ達がその少女と顔を合わせるのは二度目だった。つい数時間前、彼女は多くの仲間の
身長153cm、年齢17歳、
芸能
アンナ達は彼女をバックオフィスに迎え入れ、
「自由と平和の花園へようこそ、お嬢様」
ミハイルが胡散臭い笑みを作って少女に語りかけ、彼女の前からヴォトカの瓶を取り上げて自分のグラスに注いだ。客人が飲まないなら自分が頂こうという単純な発想らしい。アンナはそんな同僚の行動に若干呆れた気持ちを覚えながらも、お調子者の同僚を叱りつけることよりも目の前の職務を全うすることを優先し、カスミ=ウメヤシキと名乗る亡命希望者に優しい口調で語りかけた。
「わが『
「……あの国には、『自由』はない」
機械越しでも伝わる悲愴な口調。
「わたし達は、マネキンだ」
(以下、執筆打ち切り)
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