本編
fast idolkind
少女が目を覚ますととそれは異世界だった。これまでいた25世紀の地球とは違う、明らかに異世界とわかる異世界だ。
「ここは一体どこなの?」
ポニーテールを揺らして少女は戸惑う
この異世界に紛れ込んだ物は問答無用で戦いに巻き込まれ、また語彙力と文章力を奪われる。
少女は金山チクサといって未来世界のアイドルだったが、この異世界に召喚されたが最後、戦って生き残らなければ元の世界に変えることはできない
またこの世界では感じの誤変換をチェックする力も奪われる
ひらりと少女の前に一通の封筒が落ちてきた。その封筒がひとりでに開き、中から「訴状」と書かれて紙が出てきた
訴状『世界初のアイドルの名を掛けて』
原告 アメノウズメ(芸能の女神)
「芸能の女神?そんなの聞いたことないけど...」
聞いたことあないのも無理はない。古事記や日本書紀といった古い書物はチクサの時代には伝わっていないからだ
「わらわこそがアメノウズメ。日本古来のアイドルである」
いつのまにかチクサの眼前に卑弥呼のような服装の女神が立っていた
卑弥呼のようなといってもチクサが卑弥呼を見たことがあるはずはない。だが読者はこう書けば大体彼女の服装を思い浮かべられるはずである
ちなみにチクサの方は自分の所属していたアイドルグループの意匠をきていた
「わらわがそなたを訴えたのじゃ。世界初のアイドルの称号はわらわのものよ」
「わたし、別に世界初のアイドルなんて名乗ってないですけど...」
「いいから戦え!」
アメノウズメは手から炎を出して襲いかかってきた
チクサはギリギリでそれをかわす。ダンスを習っていなければ危なかった
【待て。被告には弁護士をつける権利がある。勝手は許さん】
そう言ってチクサとアメノウズメの間に入ってくる男の姿があった。真っ白なスーツを着た弁護士だった。
「あなたは一体だれ!?」
チクサが聞くと弁護士は答える
【俺は白山白狼(はくろう)、またの名を弁護士ホワイトウルフ。この世界の法廷バトルでは被告は俺のような弁護士を代理人にたてることができる】
白山白狼はアメノウズメの炎に焼かれても平気な様子だった
つまり人間ではないのだ。この世界における弁護士とはスタンドのようなものだ
作者はジョジョを読んだことがないけど。
「わらわの前にひれ伏すがよい!損害賠償請求!」
【ふん。なんとも時期に遅れた攻撃防御方法だな】
アメノウズメの放つ炎の渦を白山白狼がたやすく弾き返す。
ちなみに時期に遅れた攻撃防御方法という法律用語は本当にある
【くらえ。逆告訴だ!】
「gyaaaaaa!まさか神話の住人であるわらわが未来のアイドルごときに敗れるとは。」
アメノウズメは敗訴して消えた
【アメノウズメは倒したが、戦いは終わりではない。これからもあのように嫉妬に狂った神々がキミに法廷バトルを挑んでくるであろう】
「うぅ...いやだなあ。まるで切り裂きジャックみたい。」
チクサは早く自分の世界に返りたいと思ったがどうやらそれは不可能なようだ
【キミ一人では危なっかしい。この敏腕弁護士の俺が付いていてやろう】
「契約金とかとるんでしょう。」
【命をとられるよりはマシだと思い給え】
こうしてチクサは白山白狼を顧問弁護士に向かい入れて異世界の旅を続けることになった
それが彼女が世界最強のアイドルグループを作る第一歩であったことは、このときはまだ神さえも知らない。
作者メッセージ
「いやー例のアレがツイッターでも話題になってたのでマネてみたんですが難しいですね、わざと狂ったものを演じるのは。まあでもそれなりにメチャクチャにはなったんじゃないかと思います。ヤーハッハッハッハ」
ちなみに作者はゴールデンウィークに秋葉原、栄、難波のアイドル劇場を立て続けに回ったほどのアイドルファンですが決してオタクではありません
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